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認知症サポーターを養成しよう

豊橋の藤ノ花女子高校で講座開催

2013/06/03

藤ノ花女子高校の生徒が書いたアンケート。字でびっしりだ

 豊橋市は5月、市内の高校として初めて藤ノ花女子高校(豊橋市老松町、山崎宏人校長)で、認知症サポーター養成講座「認知症を学び地域を支えよう」を開いた。キャラバン・メイト(講師)が、3年生383人に認知症に対する正しい理解や、具体的なサポートの仕方などを教えた。約1時間の講座の中で生徒たちは、さまざまなことを学び、若い感性で何かを感じ、講座修了後にはサポーターの証しとなるオレンジリングを受け取った。

 同講座は、厚生労働省が後援する全国的な取り組みだ。2004(平成16)年に、「痴呆」から「認知症」に呼称が変わったのを機に、翌年の05(平成17)年、「認知症を知り地域をつくる10カ年キャンペーン」が始動。その一環でスタートしたのが、認知症について理解し、認知症の人やその家族を温かく見守り、支援する応援者「認知症サポーター」を養成する「認知症サポーターキャラバン」だ。

 当初全国で100万人のサポーターを育てることを目標に始まったキャラバンだが、13(平成25)年3月31日時点で412万6551人に達している。

 豊橋市に目を移すと、累積サポーター人数は1万598人。

 高齢化率は全国平均の23・4%に対し、豊橋市は21・2%。サポーター1人当たりの高齢者の人数は全国7・7人。豊橋は7・3人と似たような結果だが、全国的に見ると市町村によって大きな広がりがある。

 豊橋市では、少しでも多くの市民にサポーターになってほしいと考え、今年と、10カ年目となる来年で6500人の養成を目標とし、最終的に高齢者5人につき1人のサポーターとなることを期待している。

 「特に、小中高の学生に受けてもらいたいと考えている」と話すのは、同市役所福祉部・長寿介護課地域予防啓発グループの岡本亜紀乃さん。昨年度の学校への講座回数は、看護学校や大学を除くと、小学校が数校あるだけで、中学と高校にいたってはゼロ。同講座の認知度は決して高くないのが現実だ。特に学校の場合、年間計画がしっかり組まれていて、1時間でも年度途中に行事を入れることはむずかしい。

 藤ノ花女子高校の場合も、前年のうちに飛び込みで話を持ちかけた。主査の本塚真弓さんは同校での生徒の反応に手ごたえを感じたという。講座修了後のアンケートは、ほぼ100%。どれもびっしりと字で埋められていた。「自分のおじいちゃんも認知症」「人見知りだが、一歩踏み出してできることをしたい」「介護をする人にも思いやりを持って接したい」「自分たちが地域を支えなければ」「自分も認知症にならないようにしたい」など、等身大の意見がたくさん寄せられたからだ。

 「サポーターは、正しい知識を学び、自分ができることをする人。気負うことはありません。だから若い人たちにもなってほしい」と本塚主査は願う。今後は学校へのPRにも力を入れる予定だ。

 講座は短時間で、無料。長寿介護課に用紙を提出すれば受けることができる。

 申し込み、問い合わせは、長寿介護課=電話0532(51)2338=へ。

長寿介護課の本塚さん㊧と岡本さん

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