東三河データファイル 

農業の明るい未来に貢献

「突撃訪問!」 研究農場/トヨハシ種苗

2016/03/09

トマトの比較試験栽培ハウス

 東海日日新聞社運営の「東三河データファイル」に参画するトヨハシ種苗(川西裕康社長)。本面では同社が創業以来力を入れて取り組む研究農場について紹介する。

研究農場の皆さん(右端、林さん)

多品種の比較栽培から自社製品ノウハウ蓄積

 種苗をはじめ農業資材などの販売・提案を通じて地域農業をトータルにサポートする同社。自社研究農場は、現在、豊橋市高田町周辺に7個所を有している。そのうち、同農場事務所から徒歩数分のところにある第4圃場を訪問して、林總喜氏に話を聞いた。

 「研究農場の役割は大きく分けて3つ、(1)品種の比較栽培(2)新しい栽培方法の研究開発(3)新商品の実演展示です」と林氏。

 品種の比較栽培については、各社から出ている品種を同じ環境下で栽培し、どのような特徴があるのかを調べる。同圃場ではミニトマトを比較栽培していた。人の背丈を越える苗がズラリと並び、素人目には同じミニトマトにしか見えなかったが、300平方㍍に約60品種が栽培されており、収量や生育具合、糖度などを比較し農家にフィードバックしている。「実際に作ってみないとわからないことも多い」そうだ。ハウスのほか、露地畑でも年間を通じてさまざまな野菜が比較栽培されている。

 2つめの新しい栽培方法の研究開発については、現在は県内の大手メーカーと共同開発し、昨年から販売を始めた「プロファーム」を使った環境試験が中心に。プロファームは温度や湿度、CO2、日射量などの変動要因を管理し、作物に最適な環境を作り出す環境制御装置。さまざまな環境条件をプロファームでコントロールしながら、最適な環境方法を模索。炭酸ガスやLEDを活用して収量を上げる実験を行うなど同製品をうまく使いこなすためのノウハウを蓄積中である。

 3つめの新商品の実演・展示については、「この研究農場全体がまるごとショールームなのです」と林氏。仕入れを検討する苗の、実際の生育具合や実の付き方、ハウスの仕様などを目で見て確かめることで、購入を決める後押しをすることも多いそうだ。

農家の後継者受け入れも

 現在、7つ圃場やハウスがある研究農場は林氏含め3人の社員と嘱託社員1人、それに研修生3人が携わっている。研修生とは農家の後継者たちで、後継者育成のためにと2年の任期で同農場に受け入れ、最新の技術と設備に触れさせている。また、同農場では全国の農協や農家ら各団体の視察・見学を毎日のように受け入れている。

 林氏は、「商社なので、いろいろな会社の品種を比較栽培できるのが当社の強みであり、ただ仕入れて売るだけではなく、この地域の気候や風土に合ったものを提供していくことが当社の務めだと思う。当面はプロファームを普及させるためにノウハウを蓄積していきたい」と今後の抱負を語った。

 同農場を訪れ、比較栽培の様子や研修生の受け入れなどの話を聞き、同社が「地域農業の発展に貢献したい」という思いを感じた。

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