サーラ住宅と技科大が全館調湿換気システムの共同研究
2020/08/20
モデルハウスで行った就寝実験(サーラ住宅提供)
サーラ住宅(豊橋市白河町)は豊橋技術科学大学建築・都市システム学系の都築和代教授との共同研究で、寝苦しい夏の夜の除湿が睡眠に与える影響について検証を行った。その結果、室温が28~29度に上昇しても、全館調湿換気システムを採用した戸建て住宅では、湿度を50%に維持することで、深部体温が低下し睡眠効率が向上することが分かった。
実験は昨年7月~9月にかけ、同社の宿泊体感型モデルハウス(豊橋市牟呂町)で実施。戸建て住宅商品「べステア・プラス」が採用する全館調湿換気システムを使った「除湿有り」環境と「除湿無し」環境の2つの条件を設定した。20~23歳の技科大男子学生17人が被験者として参加。足や胸、頭等の皮膚温と直腸温(深部体温)を測定するセンサーなどを装着して就寝。26度に設定したエアコンは就寝後1時間半後に停止する。3泊4日の実験で、除湿有り・無し2条件でのデータを集めた。
湿度は翌朝7時で、除湿有りでは50%、除湿無しでは70%。エアコン停止後、人が蒸し暑さを感じる28~29度に温度が上昇しても、除湿有りでは深部体温は低下し、皮膚温は上昇しなかった。除湿無しでは深部体温は低下しなかった。
睡眠時間を睡眠時間と覚醒時間の合計で割った睡眠効率は、除湿有りの方が除湿無しより4・5%高かった。被検者ごとの睡眠効率のばらつきも、除湿有りの方が無しより小さく、多くの被験者が安定して高い睡眠効率を示した。
実験結果について都築教授は「湿度管理がされていればエアコンが途中で切れていても皮膚温の上昇は少なく、深部体温は影響を受けず、睡眠効率は低下しない」とコメントし、湿度が生理反応に及ぼす新しい知見と評価した。