東三河データファイル 

地域の未来を創造する

【キーパーソンに聞く!】後藤勝正副学長/豊橋創造大学(学校法人藤ノ花学園)/研究活動と 地域貢献で独自性を

2021/06/18

後藤勝正副学長

 東海日日新聞社運営の「東三河データファイル」に参画する藤ノ花学園(豊橋市老松町)。運営する豊橋創造大学・同短期大学部、藤ノ花高校における中長期計画「WISTERIA PLAN(ウィステリア プラン)2029」を策定し、「地域の未来を創造する」をテーマとした。同プランを確実なものにしていくために、豊橋創造大学では、副学長2人制を敷いて担当を分担。本面では、社会連携・地域貢献などを担当し、今年度から副学長に就任した後藤勝正教授に、プラン実現のための取り組みと将来構想について聞いた。

 ―副学長2人制による担当分担とは

本学では昨年までも2人体制だったが、担当副学長を明確に打ち出したのは今年度からで、教学関係と地域連携・研究活動の2つに分けている。稲田充男副学長が教学関係を担当し、私は地域連携・研究活動(研究・学術情報、社会連携・地域貢献、広報・ブランディング)を担当。教育機関としての人材育成と、新しい知の創造を担う。

―「健康を支える」大学としての地域貢献について

 保健医療学部開設16年目になるが、理学療法学科においては500人以上の理学療法士を、看護学科においては看護師、保健師、助産師合わせて800人程度を地域に送り出している。全員が豊橋市で働いているわけではないが、卒業生の大半は、地域の医療機関において、人々の健康を支える人材として従事している。

 地域の人には、疾病をはじめさまざまな問題を抱えている人から、いわゆる健康を維持したい、もっと健康になりたいという人たちが多い。こうした人々の個別のニーズに合わせたサポートをしていく必要があり、コメディカルの養成を通じて、地域貢献に取り組んでいる。

 ―医療や健康に関する情報過多の時代をどう見ているか

 多くの人たちが、メディアを通じてさまざまな情報にさらされている。コロナ禍では医療情報への関心は一層が高く、どれが正しいか見極めて判断していかないと、たとえ健康な人であっても身体的・精神的ダメージを受けてしまいそうな社会環境になっているといえる。保健医療学部では、こうした世の中にあふれるさまざまな情報を正しく判断して適切に活用できるよう、「情報リテラシー(情報活用力)」に関する教育も行っている。また、地域住民に対しては、講演会などを通じ、新たなリテラシーの獲得や、保有する情報リテラシーを向上させる部分での貢献にも取り組んでいる。

 リテラシーにかかわる多くの部分は、教科書やテキストなどで学ぶことができるが、健康医療リテラシーにおいては、医療機関で働いている人でも可能ではあるが、教育者でもある我々が翻訳して伝える方がより良い理解につながるのではないかと考える。特に、身近な生活にかかわるところでは、我々にしか貢献できないことではないかと思う。

 ―研究活動について

 大学は教育機関であると同時に研究機関であり、新たな知の創造というミッションが課されている。我々を取り巻く環境は常に変化し、未知の脅威にさらされている。新型コロナウイルス感染症はその典型的な例である。つまり、我々の未来の幸福を創造するために、研究活動は必須である。
次の世代に、人々の役に立つような新しい知識を構築していく強いミッションが課せられていくわけで、そこに軸足を置いて「教育と研究」の両輪を回していく、そういう体制が必要と考える。

 ―大学のブランディングについて

 今までは人材育成に軸足を置いていたが、他大学にはない知の拠点としての地位を確立してブランドとして根付かせたいと考えている。本学の新しいブランドを地域の人たちに知ってもらい「豊橋創造大学はそういう大学なのだ」と新たな認識を持ってもらえればありがたい。

 地域の中で本学の価値を高めていくブランディングにおいては、ニーズに合った研究活動と地域貢献が必要とされる。地域貢献には他の地域でも活用できるものと、本学周辺地域に特化した貢献の2つに大別できる。いずれのタイプの貢献においても、基盤となるエビデンスは必須であり、そのエビデンスを生み出すのが研究となる。私個人の思いとしては、研究活動と地域貢献によって本学の独自性を出し、この地域に訪れたくなるようなブランドを構築したい。


◇後藤勝正教授プロフィール/1965年生まれ。東京都出身。豊橋創造大学副学長。聖マリアンナ医科大学に15年勤務後、2006年豊橋創造大学リハビリテーション学部(現保健医療学部)理学療法学科の開設にともない基礎医学(生理学)の教員として赴任。10年、同大大学院健康科学研究科長を兼務。専門は生理学。

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