イチゴの生育状況 AIで数値化

葉量など自動計測アプリ開発/豊橋技科大・高山弘太郎教授ら研究グループ/ベータ版無料公開

2021/12/19

ベータ版アプリの画像。葉の面積や草高を計測できる(豊橋技術科学大学提供)

 豊橋技術科学大学機械工学系の高山弘太郎教授らの研究グループは、スマートフォンと人工知能(AI)を使ってイチゴの生育状況を数値的に計測し、栽培方法の調整や収穫量の予測に活用できるアプリの開発を進めている。17日からベータ(試供)版の無償公開を始めた。

 アプリは、栽培中のイチゴの画像をアップロードするだけで、画像解析AIであるディープラーニング技術が、葉の量や大きさ、草高、花と果実の個数などを自動計測して画面上に表示。解析データはダウンロードすることもできる。

 イチゴ栽培には、葉や花、果実などの生育状況を注意深く観察しながら、栽培方法を調節する高度なノウハウが必要。熟練農家の経験や勘による栽培技術が求められ、その継承は他の品目より難しいとされている。葉の大きさの手作業による計測や目視による果実数のカウントなど、データを栽培に活用する試みも行われているが、調査やデータ入力などに多くの労力がかかることが課題だった。

 開発中のアプリを使用すると、イチゴの生育状態を簡単迅速に数値評価することが可能。データを活用すれば生育の変化をグラフ化したり、赤い果実の個数から1カ月後の収穫量を予測したりすることもできるという。

 アプリは、生物系特定産業技術研究支援センターの「イノベーション創出強化研究推進事業」に採択された、イチゴ培地レス栽培法の確立を目指す研究の一環として開発。豊橋技術科学大学発ベンチャーの第2号に認定されたPLANT DATA(愛媛県松山市)などが協力した。

 17日に行われた同大学の会見で高山教授は、「イチゴは輸出の有望品目だが、生産者が激減している。培地レスや植物診断に基づいた栽培管理方法で熟練農家の栽培技術を継承し、稼げる『スマート家族農業』を目指したい」と研究の目的を説明した。

 アプリには今後、生育バランスの診断や収量予測などの機能を追加する予定で、栽培マニュアルの作成やアプリの他品種への展開も計画しているという。

 ベータ版公開に関する問い合わせは、同大学総務課広報係=電話0532(44)6506=まで。

高山弘太郎教授

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