がけ崩れから1年余り、月内に通行止め解消
2024/05/09
通行止めとなった県道429号(2023年7月)
1年余り前の大規模ながけ崩れにより復旧工事が続いていた豊根村古真立の県道429号は、月内に全面通行止めが解消される。道の先には観光名所にもなっている新豊根ダムがあり、この夏は久しぶりにアーチ式の優美な姿を見ることができそうだ。
がけ崩れは、豪雨に見舞われた直後の昨年4月8日に見つかった。ダム湖である「みどり湖」とは反対側の崖が幅約20㍍、斜面の奥行き約80メートルにわたって崩落。最大で12立方㍍もある岩が複数転がっていた。
工事では特殊な重機を使い、崖の途中に残った巨大な岩を削って除去。路面に近い部分にはコンクリートを吹き付け、金網を張った。
現場から1キロ余り先にある新豊根ダムはこの間、見学できなかったが、県道が開通すれば現地でのダムカード配布を再開する見通し。御朱印を模して、中部地方各地のダムで4月に始まった「ダム印」の配布も行われる。
また、夏の恒例行事だった年に1度の一般公開が実施される予定。例年ならゲートから水を落とす「抜水」を見学したり、堤体内部の巡視を体験したりできる人気のイベントだが、昨年は見送られていた。
復旧工事を担当した県新城設楽建設事務所設楽支所の大場清貴建設課長は「マラソンなどにも使われる道路で地元には不便をかけたが、事故なく工期内に工事を終えることができそうだ」と話している。