津具中学校で最後の卒業式

３人の巣立ち見送る／今月末で閉校／設楽町

2024/03/07

卒業証書を受け取る３人（津具中学校で）

　東栄町を除く県内の公立中学校で６日、卒業式が開かれ、生徒たちは思い出を胸に学びやを後にした。

　長野との県境に学区があり、今月末で閉校となる設楽町立津具中学校では、最後の３年生となった佐々木太陽さん、鈴木結衣さん、丸山双輝さんの巣立ちを見送った。３人は答辞の中でそれぞれ剣道、合唱発表会、駅伝に情熱を傾けたことを振り返り、下級生には「津具中で学んだことを生かして（統合先の）設楽中で活躍してほしい」と声をかけた。

　新型コロナウイルス禍の真っただ中に入学し、学校生活は多くの制約を受けた。また、津具中でも過去最も人数の少ない学年だったが、３年になると学校最後の年を盛り上げるべく行事や部活でリーダーシップを発揮した。

　多田桂校長は「多くの人が君たちの思いに協力してくれたし、少ない人数だから皆で支え合った。閉校となっても、このつながりは悩んだとき、苦しいときの支えとなる」とはなむけの言葉を贈った。

津具中「お別れ会」の案内のＱＲコード

■74年の歴史に幕

　津具中は１９５０年設立。剣道の強豪校として知られたほか、合唱が盛んで毎年の発表会に地区住民も多く集まった。「団塊の世代」がいた62年度には最多の３５９人が在籍し、74年間で通算３２０８人の卒業生を送り出した。

　しかし、過疎化により、現在の生徒数は卒業生を含めて14人。１、２年生は４月からバスで片道最長約40分かけて、町内唯一の中学となる設楽中へ通う。

　津具中では24日、町主催の閉校式と、住民らによる「お別れ会」が開かれる。会は午前11時から午後８時すぎまでの予定。校庭でステージイベント、飲食ブースの出店、餅投げ、花火などを行い、一般の人も参加できる。

　同じく閉校となる同町の田峯小学校では22日に式典、23日にお別れ会がある。