遮断機・警報機なし/費用面など難しい早期改善/群馬県では9歳児童死亡事故も/子供らへの注意喚起必須
2024/04/12
大清水~老津の第4種踏切。3月に電車と軽トラックの事故が起きた(豊橋市老津町で)
今月6日、群馬県内の踏切で犬の散歩中だった9歳の女の子が電車にはねられ死亡する事故が起きた。現場は遮断機と警報機がない「第4種踏切」だった。東三河にも豊橋鉄道渥美線に2カ所存在し、近隣住民は改めて注意喚起が求められる。
踏切には4種類あり、自動遮断機がある第1種に比べて、第4種は踏切警標だけが立ち、遮断機や、音と赤色灯で知らせる警報機はない。豊橋鉄道によると、渥美線には大清水~老津と、老津~杉山の区間にある2つの踏切が第4種登録。大清水~老津は老津駅の東550メートル、老津~杉山は杉山駅の北700メートルの地点にある。日中は上下線合わせて1時間に8本の電車が通過する。
同社はこの2カ所の踏切を電車が通過する際、運転手が警笛を鳴らして注意喚起するようにしているが、事故を完全に防ぐのは難しい。実際、先月には大清水~老津の踏切で電車と軽トラックが衝突し、軽トラの男性運転手が負傷する事故が起きている。
豊橋鉄道によると、これら第4種踏切への遮断機や警報機の設置には多額の費用がかかり、早期の改善は難しいという。踏切自体を廃止する案もあるが、近隣住民が農作業などで通行するなど需要もあり、課題になっているという。
かつては遮断機や警報機のない踏切の方が多かったが、同社は第1種への切り替えを進め、現在は大半が第1種踏切だ。市民は危険な第4種踏切の場所を把握し、できるだけ子どもだけで渡らせないなどの対策が必要だ。