豊橋市/首都圏でコンテストへの応募呼びかけも/採択6社 市内で多彩な実験
2024/09/15
豊橋市役所。市は「アグリテック」の企業集積地になることを目標としている
豊橋市は、農業とテクノロジーを融合する「アグリテック」の企業集積地になろうと狙っている。今年で3年目を迎えた賞金総額1000万円の「アグリテックコンテスト」は、その目標達成に向けた取り組みのひとつだ。
同コンテストでは、農家から抽出した地域の農業課題の解決につながる提案を、全国のスタートアップ(新興企業)から募集。審査を経て入賞した企業は、賞金の1000万円を使って市内の農家と協力し、3年以内の実用化に向け新サービス開発の実証実験を行う。
市によると、1年目に33社36件だった提案数は、2年目には52社52件に増加。今年度はさらにそれを上回る企業を集めようと、職員が今月10日に東京にあるスタートアップなどの会員制コミュニティ「NEXs Tokyo」で事業をPR。同13日には名古屋の新興企業育成施設「プレ・ステーションAi」での個別相談会に参加した。同19日には東京の起業支援拠点「CIC Tokyo」でのイベントに登壇する。それ以外にも、機会を捉えて首都圏でコンテストへの応募を呼びかける。
過去2年で採択された計6社は、現在市内で実験を進めている。中でも名古屋大学発のスタートアップ「TOWING(トーイング)」は、土壌改良資材の高機能バイオ炭を生産するプラントを市内に建設中で間もなく完成予定という。
今年度のエントリー受付期間は今月18日~10月20日。二次元コードから申し込む。書類審査や面談、プレゼンテーションで3社程度が選ばれる。表彰式は来年1月に行われる。
市地域イノベーション推進室の小野健太郎室長補佐は広い農地があり、作物の種類も多く、研究熱心な農家がいるとして「農業でスタートアップするには豊橋が最適ではないか」と力説する。