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チャレンジ続ける/田中俊夫社長/アイシンシロキ

【トップインタビュー】アイシングループとして進化/技術力で未来に続く企業を

2025/01/16

対談風景

 東海日日新聞社が運営する地元企業情報「ソース・企業」に、昨年末からアイシンシロキ(本社=豊川市千両町)が参画した。地元では長年、シロキ工業の名で親しまれていたが、アイシン(本社=刈谷市)の完全子会社となり、2023年春から現社名に変更した。本面では、田中俊夫社長にこれまでの歴史や今後の展望などについて聞いた。


 ―アイシンシロキについて
 2016年3月からアイシングループに仲間入りしました。2023年度グループ総売り上げが約4兆9000億円で自動車部品メーカーとしては世界5番目。従業員は約11万5000人。シロキ連結で言えば総売り上げ約2350億円、従業員約4300人という規模です。

 拠点としては本社・豊川工場が一番大きくて1200人程度。国内には豊田市と茨木市(大阪府)、藤沢市(神奈川県)と拠点が分かれており、海外もアメリカと中国、タイの3拠点があります。

 ―これまでの歴史について
 創業は1946年。戦後まもなく東京、日本橋の白木屋百貨店の一角で子会社としてスタートしました。創業当初は関東地方で米軍のジープの窓枠などを作っていましたが、その後東急グループに入り、さらに2011年にトヨタ自動車の傘下、16年からはアイシングループのグループ会社になるという変遷をたどってきました。

 さらに昔をたどると白木屋は江戸三大呉服商のうちの一つ(越後屋、大丸屋、白木屋)。越後屋は現在の三越で大丸屋は大丸。白木屋だけ今はもうなくなってしまいシロキという名前を引き継いでいるのは当社だけになってしまいました。

 江戸時代の1662年に江戸で始めた呉服商からの歴史から数えると372年にもなります。自動車メーカーでこんなに古い会社は一つもないですが、我々としてはそういう歴史を紡いで今があると思っています。

 ―企業の特長、強みは何か
 金属加工を強みにしており、生産の主力は車のドアフレームやガラス窓を上げ下げするウインドレギュレータなど。加えて最近では電気自動車の衝突時の衝撃や火災などからEV電池を守る骨格(フレーム)といった新しい製品づくりにも挑戦しています。

 金属加工はロール工程とプレス工程など、塑性加工を得意としています。

 全国に工場があり、例えばダイハツの近くに大阪工場、トヨタ田原工場やスズキ自動車には豊川工場、関東の日産、スバルには藤沢工場のように各地で自動車メーカーの門前に工場を構え対応しているのも強みのうちの一つだと言えるでしょう。

 ―企業理念は何か
 アイシングループの経営理念は「移動に感動を、未来に笑顔を」。移動の手段が変わったとしても移動の手段で感動が得られるような製品を開発していこうというのがグループ全体の企業理念です。

 我々アイシンシロキグループとして経営陣が口にしているのは「当たり前を疑え」です。過去の延長線上に未来はないと、今社内で盛んに言っています。

 ―現在の取り組みや今後の方向性は
 アイシンには独自のノウハウがあるのでとてもいい刺激になっていますが、アイシンのノウハウそのままではなくシロキの良い部分は残しつつ必要なものを取り入れる、そんなベストミックスなやり方で進めています。ドアフレーム製造のベンダー工程でも、シロキの得意な油圧式とアイシンで主流の電気式を状況に応じて採用したベストミックス工法が生まれたりしています。

 今チャレンジしているのが治具レス工法と言って、溶接する製品を3次元で高精度に位置を把握、固定して溶接するロボット技術で、治具交換不要なので段取り時間短縮やコスト削減に成功。厳しい業界で生き残るためには従来品の製造だけでなくこうした新たな技術の模索が必要で、そういった点からも技術系の人材確保が急務です。

 ―求める人材像は
 考えて仕事して、仕事して考えてと努力を惜しまず、物事をプラスにとらえ、まずはやってみようとする姿勢を評価します。穏やかな社風ですが、新しい挑戦や意見を取り入れる雰囲気があるので、ものづくりに打ち込める環境が整っていると思います。

田中俊夫社長

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