岡崎信金と豊橋信金、女性職員2人へ感謝状/豊橋署
2025/02/06
感謝状を受けた信用金庫の支店長と女性職員(豊橋署で)
特殊詐欺被害を未然に防いだとして、豊橋署は3日、岡崎信用金庫佐藤町支店(豊橋市佐藤1)と、豊橋信用金庫西支店(同市花田町)に感謝状を贈った。竹村賢二署長が「最後のとりでとして守っていただいた」と、2支店と女性職員2人の功労をたたえた。
◆営業担当が感知
岡崎信金佐藤町支店には、昨年11月27日に「口座のお金を別の金融機関に移したい」という80代女性が来店。不審に感じた職員の柳田真生さんが声をかけ、署に通報。多額被害を食い止めた。
女性は、検察官や警察官を名乗る者から「口座が犯罪に使われている」などの電話を受けていた。柳田さんは営業職で、女性の担当者。「大変なことになった」など、普段とは違う取り乱す姿を疑問に感じて事情を聞き出した。
女性は1人暮らし。相談者がいない中で、日ごろの関係構築が困惑する高齢者への説得力につながった。柳田さんは「不審に感じたときは、丁寧に話を聞くことを心がけている」と振り返った。
天野吉規支店長は「支店全体で詐欺の手口を周知していることが生きた」と話した。
◆窓口で察知
豊橋信金西支店には昨年12月9日、70代男性が来店。預金の全額を別口座に送金するよう窓口に依頼してきた。
職員の原田心愛さんが対応。一円単位まで送金しようとする内容やリフォーム代名目の動機など、詐欺被害の可能性を感じて上司に相談。署に通報した。
原田さんは入社2年目。窓口の職歴は浅いが、口ごもる男性の姿を機敏に察知して迅速に対応した。「これからも小さな気付きを大切にして笑顔で接客していきたい」と話す。
男性は、警官などを名乗る者から「犯罪者から、あなた名義の携帯や通帳が見つかった」などの電話を受けていた。支店には男性の家族からも感謝の意が示されたという。
藤井賢示支店長は「普段は来店しないお客さまだが、しっかり聞き取りができて良かった」と語った。
両支店は以前にも被害防止に貢献。県警から詐欺防止対策の「優良店舗」に認定されている。竹村署長は「職員への教育が徹底され、市民の安全安心につながっている」と今後の協力も願った。