蒲郡市内で中学の同級生ら献花/「玉の海を愛する会」がしのぶ/遺品など集めた資料室開設
2025/02/06
石碑の前で献花する参加者(蒲郡市民体育センターで)
大相撲の元横綱玉の海(本名谷口正夫、1944~1971年)の誕生日に合わせて5日、故郷の蒲郡市内で中学の同級生らが生誕祭を行った。
同級生らでつくる「玉の海を愛する会」の約20人が、市民相撲場の脇に建つ石碑の前に集まった。時折小雪がちらつく中、一人ずつ献花を行った。
蒲郡相撲甚句会の河村秀夫さん(81)は、玉の海に寄せる甚句を披露。参列者は「どすこい、どすこい」と合いの手を入れた。
中学の相撲部で玉の海とともに汗を流した「愛する会」の荒島伸好会長(81)は「亡くなって50年以上たつのに、いまだにこうして人が集まってくる。いかに愛されたか分かる。みな高齢になったが、できる限りのことをして、玉の海の名を残していきたい」と話した。
▼念願の資料室
愛する会は、玉の海の遺品などを集めた資料室の開設に向けて、準備を進めている。同市金平町の形原温泉街にあるホテル「形原リゾート蒲郡」の一室にこのほど仮オープンした。
市内で過ごした幼少期から、相撲部屋入門以降の貴重な写真を中心に、横綱推挙状に手形、亡くなったときに切られた本人のまげも展示されている。
生誕祭の後、資料室に立ち寄った荒島さんらは、アルバムを懐かしそうに眺めては、思い出話に花を咲かせていた。同級生たちは今年81歳になるが、27歳で逝った写真の中の級友は若いままだ。荒島さんは「いろんな人たちの好意で品が集まっている。資料館を建てるのが私たちの最大の夢です」と意気込んでいる。
資料室は、会員であるホテル経営者の好意で一室を借り受けた。20坪ほどの広さで、会員たちが手作りでコツコツ仕上げている。年内の本格オープンを目指している。
資料室は予約制で、本オープンまでは無料で見学できる。
問い合わせは、荒島さん
=電話090(2776)8893=へ。
【玉の海】
玉の海は旧宝飯郡蒲郡町出身。大相撲解説者の北の富士勝昭さんとそろって横綱に昇進し「北玉時代」を築いたが、現役のまま27歳の若さで急逝した。