名豊道路完成【③農業振興】野菜や花きの鮮度保持/評価向上にも期待
2025/03/05
豊橋、田原はキャベツの一大産地。後方は名豊道路
名豊道路の全線開通は、東三河の農業にも発展をもたらすことになる。名古屋や関西方面の市場への出荷頻度の向上が期待される。
豊橋、田原両市にまたがる渥美半島はキャベツの一大産地。2022年度の県内の出荷量は全国第1位の25・4万トンで、2位の群馬県(24・3万トン)と並んで約2割のシェアを誇っている。
年々、増加傾向にある渥美半島のキャベツ。東名高速道路のインターチェンジ(IC)が近くにないこともあり、そのほとんどが国道23号バイパス(BP)を利用して全国に出荷されている。
豊橋市内の集出荷場から東名・音羽蒲郡ICまでの所要時間は、豊橋BP開通前までは国道1号などを通って約55分要していたが、2012年の開通後は約41分に短縮した。
名豊道路が全線開通することで、豊川為当ICで降りていた輸送車がそのままBPで名古屋圏へ到達できるようになり、市場への所要時間がさらに短縮することが見込まれる。
愛知県の野菜は全国5位の産出額で、その約7割が名豊道路沿線市町から出荷。全国1位の産出額の花きも、田原市など沿線市町が約8割のシェアを誇る。JAあいち経済連の担当者も「道路整備が進展し輸送時間が削減されれば、より鮮度の高い状態、荷痛みの少ない状態で輸送できるようになり、納品先からのクレーム減少や評価向上につながると期待しています」と話す。
JA愛知みなみ(田原市)もバラやスプレーマムなどの切り花や、キャベツやブロッコリー、トマトなどの野菜を出荷。輸送を委託される東海ローディングの担当者は「時短効果などは実際に開通してみないと分からないが、プラスの面があることを期待しています」と話す。