【連載】52年越しの悲願成る

名豊道路完成【⑤防災救急】大地震に強い味方/救急医療圏も拡大

2025/03/07

道の駅とよはしには、防災トイレが設置できるマンホールがある(豊橋市東七根町で)

 全線開通を迎える名豊道路は、人々の命をつなぐ道としての役割も期待される。近い将来の発生が心配される南海トラフ地震でも大きな役割を担うことになる。

 大地震などの発災翌日から、車が通れるだけのルートを切り開く通称「くしの歯作戦」において、名豊道路は広域支援ルートとして最初に道路啓開が行われる「くしの軸」に位置付けられる。三河湾に近い場所を通る場所もあるが、高架道路となっているため津波被害もほぼないと想定される。

 豊橋バイパス(BP)沿いの道の駅とよはしは、全国39カ所に指定され、県内では唯一の「防災道の駅」だ。発災時に受援・応援のため消防や自衛隊が集結・集積する活動拠点となり、「防災拠点自動車駐車場」に指定された東側駐車場はヘリポートにもなる。防災倉庫や、防災トイレが設置できるマンホールも完備されている。

 また、豊川橋南インターチェンジ(IC)近くの豊橋市総合体育館は、国などから供給される物資を受け入れ、近隣市町村の地域内輸送拠点や避難所に送り出すための「広域物資輸送拠点」にも指定されている。

 豊橋BPには豊橋港ICと前芝IC近くの盛土のり面に緊急避難施設が設置されている。津波や洪水の発生時、周辺道路のドライバーや近隣住民らの退避場所として期待される。

 救急医療カバー圏が拡大する効果もある。東三河で、重大事故発生時などに短時間で治療を開始できる第3次救急医療機関は、豊橋市民病院と豊川市民病院の2カ所。開通後は、蒲郡市や幸田町からのアクセス時間が短縮し、30分以内に到着できる圏域人口が約1万3000人増えると推測される。幸田町から豊川市民病院へは現況の44分から32分に短縮される見通しだ。

豊橋市前芝町の豊橋BP沿いにある緊急避難施設(名四国道事務所提供)

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豊橋市前芝町の豊橋BP沿いにある緊急避難施設(名四国道事務所提供)

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