「生活体験発表大会」で文科大臣賞に輝く
2025/03/25
賞状を受け取った上根さん㊨(蒲郡市役所で)
蒲郡市長表彰式が24日、市役所で開かれ、フィリピン出身で県立蒲郡高校夜間定時制3年の上根愛利耶(ありや)さん(21)が、鈴木寿明市長から賞状を受け取った。定時制や通信制の高校生による「生活体験発表大会」の全国大会で、最高賞の文部科学大臣賞に輝いたことが評価された。
大会は昨年11月17日、東京・六本木ヒルズで開かれ、全国から60人が出場した。上根さんは「あきらめなければ、なんでもできる」と題して発表。貧しい家計を助けるため17歳で単身来日し、工場で働きながら定時制高校で学ぶ日々をつづった。職場や学校の仲間の協力や、「ほかの人ができるなら自分もできる」という母の言葉に励まされながら、勉強との両立を実現している。
発表の当日は「とても緊張して、少しミスした」と振り返った。聴衆の中に母の顔を見て、泣き出しそうになるのをこらえたという。受賞について「日本で1位になれてうれしい」と笑顔を見せた。
工場では派遣社員として働き始めたが、今では正社員に登用された。将来は、自前の農園の食材を使ったレストランを開くのが夢だという。