織物作家・奥中竹代さん講師に/豊橋でオリエンテーション
2025/04/14
オリエンテーションの様子(豊橋市民俗資料収蔵室で)
川沿いなどに自生している桑(くわ)の木の葉を使ってカイコを育てる「野良桑養蚕プロジェクト」が豊橋市で始まった。13日に同市多米町の市民俗資料収蔵室でオリエンテーションが開催され、市民約30人が参加した。「とよはし・しちしち会」が主催し、織物作家の奥中竹代さんが講師を務めた。
蚕紙(さんし=カイコが卵を産みつけた紙)からカイコをふ化させ、約30日かけて育てる。まゆになったら糸をとり、染色して全員で織り上げ、着物になる反物に仕上げる予定だ。約2000頭のカイコを飼育する計画だという。
餌になる桑の木を探し、自分で葉を調達して飼育する。桑の木の場所を落とし込んだ独自の地図を使って採集する。市内には2000頭のカイコを飼育するには十分な桑の木があるという。
今回で3期目の取り組み。養蚕と製糸が盛んだったなごりで桑の木が多く残る豊橋の特色を生かそうと始まった。すでに1期生が織った帯ができ上がっている。「昨年は着物の縦糸を作ったので今年は横糸を作る。皆で桑の木探しから始めてがんばりたい」と奥中さんは話している。