「過疎と少子高齢化」評価一転/進む農地集積やインフラの整備/〝地の利〟さらに向上/人口増への期待も高まる
2025/04/17
事業地区内での工事で拡幅された農道(豊川市萩町で)
過疎と少子高齢化が著しい豊川市北西部の萩地区が、県の経営体育成基盤整備事業地区に指定され、農地の集積や道路・河川の整備が進められている。市中心部と岡崎市を結ぶ県道377号・豊川片寄線の整備も計画され、大きな可能性を秘めている。
県は2027年度完了を目標に、萩町内の南西側から整備に着手している。大型機械を導入できるように農地の大区画化や、狭かった農道の拡幅、老朽化した用排水路の更新、室川の砂防工事などを進めている。
さらに、分散した農地を所有者ごとに集団化する「換地」も行い、新たな担い手への貸し出しを希望する農地を農地中間管理機構とも連携して集積を図っており、事業完了から5年後には農地集積率を現状の35%から83%にまで上げる計画だ。
また、八幡町を起点に町内へ延びる豊川片寄線は東海理化萩工場や日本トレクス音羽事業所近くのトンネル北側の交差点で途切れているが、来年度から整備工事が始まる予定。この道は、北側に進めば岡崎市片寄町の額田地区へとつながる。
国道1号や東名高速・音羽蒲郡インターチェンジが近く、もともと地の利に恵まれている萩地区。昨年の県議会でこの事業を取り上げた浦野隼次県議は「主要道路とのアクセスが良く、多くの企業が立地しているが、農道が抜け道に使われたりしている。新しい農地や道路が整備されれば、人口が増える可能性を持っている」と期待している。