47倍難関に合格

坪井未来さん(技科大)/EU採択「エラスムス・ムンドゥス」国際修士プログラム/「IMLEX」の奨学生15人の1人に/修了後、日欧大学から共同修士号

2025/05/02

難関を突破した坪井さん(豊橋技科大で)

 豊橋技術科学大学と欧州の3大学が提携した国際修士プログラム「IMLEX」の奨学生15人の1人に、同大学博士前期課程情報・知能工学専攻の坪井未来さんが選ばれた。IMLEXは欧州委員会(EU)の共同修士課程「エラスムス・ムンドゥス」に採択されており、坪井さんは日本人でただ1人、47倍の難関を突破した。

 IMLEXは、豊橋技科大がフィンランド、フランス、ベルギーの3大学と提携した共同修士プログラム「近未来クロスリアリティ技術を牽引する光イメージング情報学国際修士プログラム」。2019年から第1期が始まり、バーチャルリアリティーや画像処理、光学などの分野で国際的に活躍できる技術者を育成する。学生は欧州の大学で数カ月ずつ学んだ後、豊橋技科大で拡張現実技術などの講義を受講して修士論文を提出。修了者には、技科大と欧州3大学からジョイントディグリー(共同修士号)が与えられる。

 これまでは日本からの補助金を受け豊橋技科大の枠が設けられていたが、今回からエラスムスの正規プログラムに認定されたことで同大枠は撤廃された。奨学金が欧州基準の好条件に引き上げられたため、世界中から700人以上が応募。選考の結果、アジアや欧州などから15人の奨学生が選ばれ、日本人合格者は坪井さん1人だけだった。

 坪井さんは鈴鹿高工業等専門学校から技科大3年に編入し、国際的なアイデアコンテストや企業インターンシップ、ドイツの大学での実務訓練など、国際的キャリアパスに向け積極的に活動。4月に開かれた会見では「教育では地方と都市、途上国と先進国で機会格差があり、デジタル技術を使った教育を開発して格差を小さくできる。企業パートナーのところで自分の研究力、技術力を向上させたい」とIMLEXへの応募動機を語った。

 会見に同席した交際担当の中内茂樹副学長は「入試では志望動機や産業的経験が評価される。日本人が苦手のビデオ審査でも上手にできたのだと思う」と坪井さんを評価し、「地方にある単科大学の女子学生でも世界的に通用する人材がでてきた。坪井さんがロールモデルになって、後輩たちへ勇気と可能性を示す存在になってほしい」と期待した。

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