「変化なし」でも発生確率80%

南海トラフ地震臨時情報の発表から1年/災害への備え一層留意を

2025/08/10

東海地方の深部低周波地震の震央分布図。青色が7月5~12日、赤色が13日以降

 昨年8月に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されてから1年。県内など東海地方では先月、深部低周波地震(微動)が発生したが、南海トラフ沿いで特段の変化は観測されていない。それでも大地震の発生確率は80%で、災害への備えが必要だ。

 気象庁による最新の調査では、南海トラフ周辺で目立った地震活動はないが、短期的ゆっくりすべりが起因と推測される現象として、プレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)が東海地方で7月5~10日と、13~22日に発生。同様に6月から7月にかけて紀伊半島西部と、四国西部から四国東部にかけても発生した。

 これらとほぼ同期し、周辺に設置された複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測。傾斜データでも変化があった。

 また、2022年初頭から静岡県西部から愛知県東部にかけて、それまでの傾向と異なる地殻変動が観測されているが、渥美半島周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりが起因と推定される。5年前から紀伊半島南部で観測された地殻変動は昨年秋から停滞していたが、今年初めから再び観測されている。

 いずれも従来から繰り返し観測されてきた現象で、南海トラフ巨大地震が発生する可能性が平常時と比べて相対的に高まったとは考えられないが、平常時でも今後30年以内の発生確率は80%で、依然として切迫性の高い状態だ。

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