羽田野晴加の飛躍は!?
2025/09/01
糸川寛哉さん㊨と山本修平さん(豊橋市陸上競技場で)
今夏、沖縄県で開催された全中陸上の女子800メートルでTR2位、8月末の愛知県ジュニア五輪で女子1000メートル優勝。鈴木亜由子(日本郵政グループ)を超えるかもしれない羽田野晴加(豊橋市羽田中2年)の飛躍について、彼女を良く知る2人に今後の可能性を聞いた。
◆悔しさを糧に
羽田野が所属する豊橋市のアスリートクラブ「糸陸」で代表を務める新進気鋭の若手指導者・糸川寛哉さんは「最初の印象は動きが良くなかったですね。クラブの中でも『普通以下』の選手。中学1年生の夏までほぼ目立っていなかったけれど、昨年7月から急にレース毎のタイムが伸びた。何か感覚的にきっかけをつかんだ期間だったと思う」と振り返った。
全中陸上の結果については「これまで大きな舞台で結果を残してきた彼女にとって、初めて自分のイメージ通り結果を残せなかった。レース前はいつも自信が無さげ、それは全中陸上でも変わらなかったが、レース後に初めて悔し涙を流したように、思うような走りができず悔しかったと思う。レベルの高い舞台に挑む準備が足りなかったのは僕自身も反省したい」と語った。
さらに「決勝に進めず泣いた姿を初めて見た。ただ、1年前には想像もできなかったこと。彼女の見える景色が変わっているはず。彼女自身も『来年は優勝を目標に頑張る』と言っているので、結果以上にその過程を大切にして、日々の練習に取り組んでいきたい」と述べた。
◆来年が勝負
早稲田大学やトヨタ自動車で活躍して2021年に現役を引退した山本修平さんは、全中陸上での走りについて「もっと彼女らしい走りができれば戦う力は十分ある。実力を発揮できなかった悔しさは伝わったし、予選で敗れた後のTR(トライアルレース)で2分11秒台は力がある証拠。初めての全国大会で負けたのは貴重な経験になったはず」と話した。
今後の可能性については「来年が本当の勝負になる。2分11秒台まで来ているので、亜由子さんの記録を超えてもらいたい。そこを目標にすれば全国で優勝できると思う。絶対的なスピードがあるので中距離でも勝負できる。これからは期待値も上がっているので、プレッシャーを力に変えて頑張ってほしい」と活躍に期待を寄せた。