救助や物資輸送孤立地域対策など/県と田原市が総合防災訓練
2025/09/01
倒壊家屋や車両などからの救出活動(田原市白谷海浜公園で)
南海トラフ地震を想定した愛知県、田原市主催の総合防災訓練が8月31日、同市の白谷海浜公園などで行われた。厳しい残暑の中、倒壊家屋からの救出や物資輸送、能登半島地震の教訓を踏まえた孤立地域対策、避難所の開設運営など、さまざま事態を想定した実践的な訓練が繰り広げられた。
訓練は、駿河湾から日向灘を震源域に大地震が発生し、田原市で震度7を観測。伊勢湾、三河湾に大津波警報が発表された想定で進められた。90機関、約2000人が参加した。
白谷海浜公園のほか、旧伊良湖小学校では渥美半島先端部の浸水と国道42号・259号の通行不能で伊良湖地区が孤立した想定で訓練が展開された。高台にある市立童浦小学校では、避難した住民による避難所の開設と運営が実施された。
白谷海浜公園は実働訓練会場となり、負傷者への応急救護をはじめ、倒壊家屋や車両からの救出、緊急物資の搬送、住宅密集地で発生した火災の消火など、参加機関が手順や連携などを確認した。陸路の遮断を想定し、支援物資の空輸訓練も行われた。
公園内の陸上競技場には、孤立した伊良湖地区から救出された住民3人がヘリコプターで搬送された。
訓練後、大村秀章知事は「充実した訓練が行え、住民の皆さんが防災機関とともに熱心に取り組む姿は大変心強い思いをした」と振り返った。
参加した大沢博消防庁長官は「地域防災力が確実に向上していることを実感した」、田原市の山下政良市長は「今後も訓練に訓練を重ね、災害に対応したい」とそれぞれ述べた。