野球場移転 市民から賛否

豊橋市が初の説明会/市長の姿勢に不満の声も/きょうもライフポートで午前開催

2025/09/07

新球場の説明会に集まった市民(豊橋市総合体育館で)

 住民投票によって多目的屋内施設(新アリーナ)計画の事業継続が決まった豊橋市で、今度は野球場の移転に対して市民から賛否が沸き起こっている。5日夜には、市が初めての市民向け説明会を開いた。

 新アリーナを豊橋公園に整備する計画は7月の住民投票で賛成多数となり、反対していた方針を翻し長坂尚登市長が事業の継続を決定。この計画に伴い、アリーナ予定地に建つ旧豊橋球場の代わりの野球場を三河湾沿岸の総合スポーツ公園B地区に整備する基本設計を長坂市長は8月に公表し、市民や市議会の意見を聞いて現行案のままか修正などを加えるかどうか判断する考えを、その後の記者会見や議会で示している。

 市民意見を聞く場として市総合体育館で開かれた説明会では、当局が津波や液状化などへの対策で盛り土を行った上に新球場を建てる基本設計について説明。続く質疑応答では、参加者から賛否双方の意見が出された。

 ある女性は、津波被害の可能性に改めて懸念を表明。「こういう地域に造るべきではない。液状化も心配」と指摘し、建設地の変更を求めた。

 野球関係者という男性は、豊橋球場が廃止されたことによる少年野球のプレー環境の苦境を訴え、「学年はどんどん上がっていく。小中学生のためにも一刻も早く造ってほしい」と要望した。

 自身の就任前に策定された基本設計に対する、長坂市長の曖昧(あいまい)ともとれる姿勢がやり玉に挙がる場面もあった。ある男性は「市民としてはモヤモヤしている」と述べ、長坂氏が市長や個人の立場を使い分けていると不満を口にした。市長として基本設計を公表した一方、臨海部への球場移転に反対する個人的な考えに「変わりはない」とした議会での答弁を指すとみられる。

 説明会では発言を希望する人が多く、1時間の予定を約30分超過して終了。金子知永都市計画部長は「いただいた意見は長坂市長に報告する。反映できるものは設計で反映していく」と述べた。

 説明会は7日午前10時半から、ライフポートとよはしでも開催される。申し込み不要。

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