古希を過ぎた会員ら自由で書きたい文字/最高齢者の力強い作品など並ぶ
2025/10/15
バラエティに富んだ書が並ぶ(桜ヶ丘ミュージアムで)
三河書芸会(権田拓朗会長)による「第16回三河壽書展」が19日まで、豊川市桜ヶ丘ミュージアムで開かれている。古希を過ぎた会員ら27人が一人1~2点、計48点を出品している。
題材は自由で、自分の書きたい文字、言葉、詩、自作文から選び、古典の臨書から創作までバラエティーに富んだ力作が並んでいる。
三河書芸会では、古典の臨書とともに自分で選んだ言葉を習う。会員最高齢の白井珠紅さん(97)は、老子の言葉「善行無轍迹(ぜんこうはてっせきなし)」と孔子廟堂碑の臨書の2点を出品した。年齢を重ねてさらに真摯(しんし)に書に向き合う姿勢と、そこから醸し出される力強い作品に鑑賞者の多くが足を止めていた。
70歳になってから書を始めたという市川鳳雲さん(76)は、今の季節を詠んだ漢詩と王羲之(おうぎし)の臨書を出品。市川さんは「学びながら習う楽しさと、筆を進めるほどに心が落ち付く、そこに書の魅力を感じる」と話した。
権田節子顧問(87)は「例えば『花』の一文字でもいろいろな表現の仕方がある。こうした楽しさを感じていただければ」と話した。