新アリーナ工事再開も課題山積

追加費どうするか、地域住民の理解得られるか/再始動で安全確保と環境配慮掲げる/豊橋

2025/10/28

記者会見でアリーナに関する質問に答えた長坂市長(豊橋市役所で)

 約11カ月に及んだ中断期間を経て、工事が再開した多目的屋内施設(新アリーナ)の建設計画。事業が宙に浮いた状態は解消したものの、追加費用や住民理解などの課題は残ったままだ。

 27日の定例記者会見で長坂尚登市長は、事業再開を受けて「安全の確保に十分努めるとともに、周辺環境へ配慮しながら工事を進める」と語った。

 アリーナ整備に向けて工事が再び動き出した一方で、懸念点はある。例えば、工事の中断に伴い発生したとみられる追加費用がいくらになるのかは明らかになっていない。会見で金額算定のスケジュール感を問われた長坂市長は「明確には答えられない」と述べるにとどめた。追加負担額が確定したところで、予算措置を議会がすんなり認めるかも不透明だ。

 今月23日には建設予定地周辺の住民有志の団体が長坂市長に対し、近隣向け説明会の開催を求める申し入れを行った。長坂市長は会見で「参加者を住む場所で絞る説明会は現時点で検討していない」と述べた。

 アリーナの予定地にある旧豊橋球場の代わりとなる野球場を三河湾岸に新設する計画について、現行案のままか修正するかの判断を保留している長坂市長は現状、防災などの専門家4人から「意見を聞き始めている」と説明。「今後1カ月をめどに(専門家から)意見をもらう。出た見解次第で対応を考える」とした。

 昨年11月に長坂市政が始まって以来、市長はアリーナ事業の推進派が多い市議会との対立を深めてきた。

 12月定例会で議会側は、アリーナ関連の契約を含め議会の議決を経た契約の解除にも議決を必要とする条例の一部改正に踏み切った。これに対し市が議会を提訴し、法廷闘争に発展。現在も係争中だ。

2025/10/28 のニュース

記者会見でアリーナに関する質問に答えた長坂市長(豊橋市役所で)

有料会員募集

今日の誌面

有料会員募集

きらり東三河サイト

高校生のための東三河企業情報サイト

連載コーナー

ピックアップ

Copyright © TONICHI NEWS. All rights reserved.

PAGE TOP