豊橋中学軟式野球連盟/会場設けてプレー機会創出/団体や学校垣根越えて環境づくり/「子どもらが主役」理念に
2025/11/24

練習に励む生徒ら(豊橋市の青陵中学校で)
豊橋中学軟式野球連盟は、10月から豊橋市内の中学生を対象とした「野球教室」を始めた。「子どもらが主役」と理念を掲げて白球に触れる機会を増やす取り組み。働き方改革が進む中で教職員の有志も指導者として参加する。少人数チームの増加に危機感を抱き、部活動とクラブチーム、校区の垣根を越えて野球に親しむ環境づくりを進めている。
◆同世代との実戦練習
野球教室には、希望した中学生約200人が参加。市内中学22校区を4エリアに分けて月に数回、エリアごとに指定した中学校グラウンドで開く。各会場では5、6校の生徒が集まり実戦的な練習ができる環境で技術を磨いている。
10月18日に初回を開き、今月22日に2回目の練習を実施。牛川町の市立青陵中学校グラウンドでは、6校の生徒が集まり1年生と2年生が二面に別れて紅白戦を行った。
同校野球部2年の原田祐一郎君(13)は「土曜の部活がなくなったので、物足りなさを感じていた。知らない選手とのプレーは緊張するが、技術を見ることができる良い機会」と同世代とのプレーを歓迎する。
◆自発的に指導
中学校部活動は平日の3日間。市内では「学校の働き方改革」の一環で、今年10月から土曜と祝日の活動がなくなった。野球部員が少人数の学校は多く、試合形式や連係プレーができない選手が多い現状がある。
クラブチームも同様で、連盟は課題を解決するため昨年から教室の準備を進めていた。指導者として「兼職」の申請をした野球経験者や顧問を務める小中学校教員26人を登録。選手が支払う参加費の中から一定の報酬を得る制度とした。
同校野球部顧問の鈴木雅基教諭(36)は「私生活が優先でき、月に数回の指導に負担は感じていない。野球人口は減っておりプレーする機会を求める子は多い」と意義を語る。
◆地域の野球界を盛り上げ
少子化が進む中で、各地の部活動やクラブチームのあり方が問われている。同連盟は「主役は野球をしたい子どもたち」との理念で時代に即した取り組みを進める。河合成始副会長は「クラブと部活、校区による人数格差などを補い合う活動。野球を通じて多くのことを学んでほしい」と思いを語る。
河合副会長は元教諭で野球部顧問も長く務めた。学校や地域事情、クラブチームの意向も踏まえて組織間の架け橋となり、豊橋の野球界を活性化させる意志を強めている。
教室は来年2月まで。春先や夏場は部とクラブの主要大会が重なるため、来年度以降の開催は未定。新たな取り組みは、女子選手や未経験者も受け入れ、当初の予想を超える参加数となった。
河合副会長は「連係と協力が大きなテーマ。生徒や関わった人たちの意見を聞いて次年度につなげていきたい」と話している。