東三河県庁と愛知大学の連携講座/来月14日 豊橋で成果発表会
2025/12/31

講義の様子(愛知大学で)
東三河県庁と愛知大学は、2025年9月から新たな連携講座「キャリアデザイン特殊講義」を開講し、その集大成となる成果発表会を、26年1月14日に愛知大学豊橋キャンパス(豊橋市町畑町)で開く。
講義では、東三河県庁の若手職員4人がメンターとなり、同大学の1~3年生20人とテーマごとにグループを組んで、東三河の地域課題について、把握から実践的な政策立案シミュレーションまでを協議して行った。戸田敏行教授が指導してきた。
学生たちは座学のほか、10月と11月にフィールドワークに出かけ、設楽ダム工事事務所(設楽町)や新城商工会館(新城市)、ポートインフォメーションセンターカモメリア(豊橋市)、万場調整池(同市)などを見学。関係者の話を聞いて学んできた。
発表会では、「豊川流域圏の交流づくり」「外国人共生協働のまちづくり」「渥美半島の農業」「親しまれる港『三河港』へ」の4テーマで分かれたグループが、それぞれ考案した政策を発表する。
午後1時開会、同4時閉会予定。参加申し込みは、26年1月12日までに、二次元コードの参加申し込みフォームから申し込む。定員300人。
東三河県庁と連携して愛知大学が始めた講座の特徴の一つが、キャンパスを飛び出して現場を巡るフィールドワークだ。学生たちは北は設楽ダムの建設現場から、南は渥美半島の園芸施設まで訪ね、当事者の話に耳を傾けた。
11月末にあった2回目のフィールドワークで、一行はまず豊川市にある豊川放水路分流施設を訪問。屋上から分流堰などを眺めつつ、豊川の治水の歴史、整備状況について国土交通省豊橋河川事務所から説明を受けた。
事務所の担当者は「治水には時間と費用が掛かるし、ダムを造れば現地は水没する。そういうデメリットもある中で地域が発展していく」と河川整備の意義や難しさを語った。
学生たちはその後、豊川用水の万場調整池、伊良湖岬近くのトルコギキョウ栽培ハウスや三河港などを見学。途中、青々と広がる収穫期のキャベツ畑も目の当たりにした。
文学部3年の袴田竜輝さんは「渥美半島で農業が盛んになったのは豊川用水のおかげだった。上流からたどってきたことで、そのありがたみが分かった」と話した。
三河港について政策発表する予定の地域政策学部2年、杉下明花里さんは「実際に行ってみて港の規模感や雰囲気が分かった。他の場所で学んだことも組み合わせ、立案に生かしたい」と意欲を示した。