㉑「蔵王山から見るトヨタ自動車田原工場」/トヨタが臨海部に進出、敷地拡大へ
2026/01/27

1979年に蔵王山から撮影した童浦地区とトヨタ自動車田原工場(藤城信幸撮影)
上の写真は、1979(昭和54)年に蔵王山(標高250メートル)山頂から北東の童浦地区を撮影したものである。中央左に見える小山は標高79メートルの笠山。その先には三河湾、右手には汐川干潟が広がっていた。
昭和39年、蒲郡・豊橋・田原の臨海部が「東三河工業整備特別地域」に指定された。昭和42年から田原地区の臨海工業用地の埋め立てが始まった。トヨタ自動車の進出で田原工場が完成し、昭和54年から操業を始めた。田原工場は、笠山の先に白く広がる建物。輸出用車両の生産拠点として計画され、その基地として整備されていくことになる。左に見えるアパート群は、トヨタ従業員の社宅として建設されたものである。
造成前の童浦地区の地先には、約2000ヘクタールの広大な汐川干潟が広がっていた。ノリやアサリの漁場として地元住民の生活を支えたほか、全国有数の渡り鳥の渡来地。130種類以上の野鳥が確認されていた。全面埋め立てに反対する運動が起こり、汐川河口周辺の280ヘクタールが保存されることとなった。
下の写真の田原工場は、東京ドーム約86個分に相当する403ヘクタールの敷地に増設され、現在ではレクサスやランドクルーザーなどが生産されている。工場の岸壁には2隻の自動車運搬船が確認できる。写真には11基の風力発電用プロペラと黒色のメガソーラーパネルも写っており、田原市は近年、国内最大級の再生可能エネルギー推進地区としても注目を集めている。