「三倍体カキ」養殖に成功

小中山・渥美両漁協 新たな水産資源期待/販売やブランド化取り組み加速へ

2026/03/09

三倍体カキと天然養殖カキ(田原市堀切町で)

 田原市の小中山、渥美両漁業協同組合のカキ部会が、年間を通じてプリプリとした食感と濃厚な味を楽しめる「三倍体カキ」の養殖に成功した。アサリや大アサリの不漁が続く中、新たな水産資源として期待が寄せられており、今後、販売とブランド化に向けた取り組みを加速させる。

 三倍体カキは、染色体を通常の2組から3組にした産卵しない人工的なカキ。産卵による栄養分ロスがないため夏場でも身が痩せにくく、一年中、濃厚な味わいを維持できるのが特徴という。

 田原市はアサリや大アサリの産地で知られていたが、近年は不漁が続く。深刻な経営状況に漁業者がカキ部会を立ち上げ、2025年度から3カ年計画で市内の福江湾で情報通信技術(ICT)を活用した三倍体カキの養殖実証を開始した。市が事業を委託し、「スマートカキ養殖」を推進している。

 養殖には、徳島県の水産養殖ベンチャー企業から購入した種苗(稚貝)を使用。稚貝を一粒ずつ専用バスケットに入れる「シングルシード」方式を採用した。波の揺れでバスケット内のカキが刺激を受けることにより、ふっくらとした身が育まれる。ICTで漁場の環境や生育状況を把握し、作業履歴などをデータ化することで、安定した品質管理を実現している。

 1センチ程度だった稚貝は約8カ月後の2月には、平均80グラムの11センチほどに育った。

 2月28日には、新年度の販売、ブランド化を目指し、養殖に取り組む漁業者らが伊良湖菜の花ガーデン(堀切町)で試食イベントを実施した。天然の稚貝から育てた天然養殖カキを販売し、購入者に焼いた三倍体カキを振る舞った。多くの観光客らが立ち寄り、盛況だった。

 カキ部会の川口拓馬部会長(38)は「潜水漁をしているが、大アサリが獲れなくなる中、このカキが安定して生産、販売できるようになれば」と期待を寄せた。

 田原市も引き続き、三倍体カキの販売、ブランド化を後押しする。

盛況だった試食イベント(同)

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盛況だった試食イベント(同)

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