鳳来山東照宮宮司に就任

豊橋東前校長から神職へ―鈴木敏夫さん/17日に奉告祭「地域の宝を守りたい」

2026/04/12

鳳来山東照宮の宮司に就いた鈴木さん(提供)

 県立豊橋東高校の校長を3月末で退職した鈴木敏夫さん(60)が、徳川家康を祭る鳳来山東照宮(新城市)の宮司に就任した。これまで教職の傍ら権禰宜(ごんねぎ)を兼務していたが、「地域の宝を守り、次の世代に残したい」と4月からは神職一本に専念する。1日、神社本庁から宮司に任ぜられ、17日には春の例大祭に合わせて宮司就任奉告祭を斎行する。

 新城市(旧鳳来町)で生まれ育ち、東三河の高校で地理歴史を教えていた鈴木さんが、通信教育で神職の資格を取得したのは2007年。教員退職後に東照宮の宮司を務めていた父、道人さんの勧めだった。

 当時は教員の仕事が忙しく「神職になるつもりもなかった」が、転機となったのは、歴史を教える同僚教員らを、道人さんとともに東照宮を案内したとき。「貴重な品がたくさんあるのを初めて知った。誰かがこの宝を守らなければと思った」と資格取得を決めた。

 同年に権禰宜となり、道人さんが80歳を超えた10年ほど前から、宮司に代わり本格的に神事を執り行うようになった。教職も続けながら、東照宮以外にも近隣神社の神職を兼ねた。「例大祭が続く春秋の土日は、ほとんど神事で埋まるが、平日の行事は代役を頼むしかなく、神職の研修会や会合への出席も難しかった」と言う。

 一方、教職では田口、豊橋東の両高校で校長を歴任。「生徒や先生方のおかげで今までやってこれた。東照宮の行事は平日も多く、これ以上迷惑をかけることもできない」と役職定年を機に3月末で退職。あと3年は教諭として教壇に立つ選択肢もあったが、「教員はやりがいのある仕事だが、今後は地域のために頑張りたい」と、37年間の教員生活に終止符を打った。

 神職への専念にあたり「燭台(しょくだい)や掛け軸など、東照宮には創建時に江戸城から持ってきた品々が多い。整理して保存したい」と話す。未調査の品もあり、学術的評価を受け文化財指定につなげたい考えだ。すでに国重要文化財に指定されている社殿も、「『平成の大修理』から20年たって傷みが激しい。早急な修理が必要」と、やるべき仕事は多い。

 徳川3代将軍家光が建立し、「三大東照宮」の一つとされることもある鳳来山東照宮は、2051年に創建400年を迎える。「85歳になっているが、それまで元気で宮司を続けたい」。地域の宝を守り抜く覚悟だ。

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鳳来山東照宮の宮司に就いた鈴木さん(提供)

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