デマンド型タクシー 全国の失敗事例データに注目し料金徹底/湖西市の田内市長が東三河産学官交流サロンで講演/地方都市の課題克服へ県境超えた広域連携に期待
2026/04/15

東三河産学官交流サロンで講演する湖西市の田内市長(豊橋市内のホテルで)
静岡県湖西市の田内浩之市長は13日夜、豊橋市内のホテルで開催された第498回東三河産学官交流サロンで講演した。タイトルは「湖西市における持続可能な公共交通の取組と展望」。民間バス路線の撤退など地方都市が直面する課題を克服するためにデマンド型タクシーの運賃均一化などで挑む取り組みを紹介した。
市の市民意識調査では「住みにくいところ」の1位に「公共交通機関」が挙がり、交通空白地域の解消が急務となっていた。民間バス撤退後は、コミュニティバス、デマンド型乗合タクシー「コーちゃんタクシー」、企業連携の「企業シャトルBaaS」の3本柱で公共交通を維持している。
転機となったのは、デマンド型タクシーの拡充だ。市は昨年10月から休日運休を解消し、地区をまたぐと800円の運賃を「市内均一500円」に改定。全国の失敗事例の「500円を超えると利用が激減する」というデータに着目、均一料金を徹底した。
さらに乗降場所を拡大、運行間隔を短縮するなど利便性を向上させた。その結果、1週間あたりの新規登録者は約6倍に急増し、利用者も右肩上がりとなっている。
一方で、1人あたりの市負担額が膨らんだことが課題だ。田内市長はコストを抑えるため、複数人で利用する「乗り合い率」の向上が大事と指摘した。今後、部活動の地域移行や学校統廃合に伴う移動手段の確保を挙げ、将来的には自動運転(レベル4)を見据えた次世代交通網の構築が必要だと語った。
最後に、公共交通の維持は共通の課題であると強調。静岡県西部の自治体間では失敗例も含め情報共有を進めているとし、「東三河の首長の皆さまともノウハウを共有し、より良い交通網を実現したい」と県境を越えた広域連携への期待を寄せた。