特殊環境下で手順確認など対応力高める/豊橋市消防本部
2026/08/29

熱中症患者を搬送する様子(豊橋市内で)
豊橋市消防本部は28日、同市神野ふ頭町の港大橋(ベイブリッジウェイ)で、作業員が熱中症で倒れたと想定した救助訓練を行った。消防職員と施工業者の中部化工建設(名古屋市)の社員ら計45人が参加。猛暑による急病や事故への対応力を高めた。
屋内環境で作業員2人が暑さにより体調不良となったと想定。同社員が119番通報し、傷病者の体を冷やすなど応急措置を実施した。駆けつけた救急隊員は、階段や足場が組まれた工事現場での搬送手順を確かめた。
また、橋脚に設けた足場から作業員の転落を想定した訓練も実施。消防隊員に内容を伝えない「ブラインド型」で行い、高さ約12メートルで宙づり状態となった作業員を救出する手順を確かめた。
同社は今年6月から、橋の塗装工事を実施中。現場には「クーラーテント」を設けるなど暑さ対策を施している。訓練では、現場に備える簡易式の水槽「アイスバス」で傷病者の体温を下げる処置や、救急隊に現場の状況を詳細に伝える手順を確認した。
市内では昨年1年間、熱中症とみられる市民347人を救急搬送した。今年は7月末までに約200人を搬送。屋外作業現場では昨年、計30件の搬送要請があった。
年々暑さが厳しくなり、建設現場での緊急事態に備えるため同社が消防に呼びかけて訓練を実施。消防隊員は、限られたスペースでの搬送や意識を失った傷病者を救う困難な環境下での対処力を高めた。
消防本部は暑さ対策として、今年から消防車両に「アイスバス」を配備。火災現場で隊員が体力回復のために利用し、日ごろから防火服を着たトレーニングも続けている。
同本部南消防署の長坂規弘副署長は「普段は経験できない環境での訓練ができた。今後も企業と連携した取り組みを強化していきたい」と話した。