薄墨が織りなす流麗な書の世界

田原市出身の書家・鈴木翠軒の生涯紹介/来月4日まで展覧会/手紙 筆や落款など愛用品も並ぶ/田原市博物館

2026/09/23

展示されている薄墨の流麗な作品(田原市博物館で)

 薄墨を用いた流麗な書風「翠軒(すいけん)流」で知られる田原市出身の書家、鈴木翠軒(1889年-1976年)を取り上げた展覧会「没後50年郷土の書聖 鈴木翠軒」が、地元の市博物館で開かれている。作品をはじめ、手紙や愛用品など約50点の資料で翠軒の生涯と芸術が紹介されている。

 翠軒は現在の堀切町に生まれ、県立時習館高校の前身校などを経て現在の市立福江小学校で教壇に立った後に上京。戦後は日展審査員などの要職を歴任し、1960年に日本芸術院会員、68年には文化功労者に選ばれた。

 漢字、かななど先人の筆跡を徹底的に追求し、独自の境地をひらいたのが翠軒流。会場には、柿本人麿の歌をしたためた「万葉一首」など、薄墨の流れるような伸びやかな字で書かれた軸やびょうぶなどの作品が並ぶ。

 1932年から38年にかけて手掛けた国定教科書の手本も展示。美しい書体は、翠軒の名前を全国に広めるきっかけになったされている。

 故郷、渥美半島の伊良湖岬にある「万葉の歌碑」にまつわる、地元の人に宛てた書簡なども並ぶ。歌碑に使う作品の変更を自ら依頼していた手紙からは、故郷への深い愛着もうかがえる。

 流れるようなうねりのある翠軒独特の書体。担当者は「生まれ育った堀切の海(太平洋)の波が、その書風に現れているのではないでしょうか」と話す。

 使用していた筆や落款などの愛用品も公開、展示されている。

 会期は10月4日まで。観覧料は310円、小・中学生150円。9月26日は翠軒の命日で無料となる。月曜休館。

翠軒の書簡なども並ぶ(同)

使用していた筆や硯など(同)

2026/09/23 のニュース

展示されている薄墨の流麗な作品(田原市博物館で)

翠軒の書簡なども並ぶ(同)

使用していた筆や硯など(同)

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