原因「ベトナム戦争」文学部で最多

学園紛争渦中 どう捉えたか㊦ 愛大「文学部・法経学部二部・大学院」/経験卒業生に調査/法経学部と認識で明暗

2026/09/23

かつても、今も文学部の学生が学ぶ2号館(豊橋市内で)

 豊橋市の愛知大学東亜同文書院大学記念センターが、愛大生在学時の状況をまとめた報告書の中から、東日新聞がその後の軌跡を追うシリーズ第4弾として紹介している「大学紛争編」(最終編)で、豊橋校舎文学部は紛争理由に「ベトナム戦争」を挙げた人が最も多かった。同じ校舎でありながらも、「学費値上げ」と正しく認識した人が多かった法経学部と明暗が分かれた。

 ■捉え方さまざま
 アンケートに答えた文学部の11人のうち4人が紛争理由に「ベトナム戦争」と捉え、最多だった。「わからない」が2人、この戦争を含め「学費値上げ」が1人。「政治への関心が高く、自分たちの力で動かせると学生が考えていた」や「社会的な流れ」と書き込んだ人もいた。

 紛争の認識の捉え方はさまざま。「紛争の渦中にあった」や「革マル(派)・ベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)の言うことはわかる」などと支持・理解する人がいた。一方で、「革マル、民青(日本民主青年同盟)のイニシアティブ争い」という人も。

 しかし、紛争の影響に「なかった」が3人。「左翼が夢を見ていただけ」と現実との隔たりを感じた人、「授業が中止で、思い通りに受けられなかった」と残念がった人もいた。

 豊橋校舎では、法経学部の法、経済、経営の各学科で答えた計30人のうち14人が、紛争理由に「学費の値上げ」を指摘している。調査した愛大名誉教授で愛大東亜同文書院大学記念センターの藤田佳久・元センター長は、「当時、文学部の学生の多くは反戦に関心があり、その表れがベトナム戦争という形で紛争理由につながったのでは。法経学部と異なった結果となった。ただ、答えた人は少なく断定はできないが、その傾向はあったと思う」と語った。

 ■デモ参加も
 また、豊橋校舎法経二部法学科では、答えた2人が紛争を否定的に捉えた。「暴力事件もあり、残念!」や「学生による大学当局との団交、大学本部、研究館閉鎖。怖いと感じた」と理由を示した。二部経済学科は回答がなかった。

 一方、名古屋校舎法経二部法学科では、答えた4人が紛争の認識に「学生が社会へ直接主張できる場面があると理解した」などと記した。二部経済学科では、答えた5人が紛争の認識に「校舎の入り口にバリケードがあり、入れないことが何日も続いた」などと言及した。大学院の1人は紛争の影響について「なかった」と答えた。

 記念センターは1971年度に卒業した文学部183人、法経学部2部727人、大学院など48人を対象にアンケート調査。計32人が答えた。

 次回は「番外編」として文学部に入学して紛争渦中にべ平連の活動に没頭した豊橋市の冨安廣次さん(78)を取り上げ、アンケート結果などについて聞く。

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