被害者家族の青木さんが講演/豊川
2026/10/20

両親を失った経験を踏まえ、犯罪被害者の実情を語る青木さん(豊川市文化会館で)
豊川市は19日、市文化会館で犯罪被害者家族の青木聰子さんを講師に招いて人権講演会を開き、市職員や市民らが来場した。
青木さんは、NPO法人犯罪被害当事者ネットワーク緒(お)あしす代表。1996年、名古屋市で起きた覚せい剤常習者による殺人事件で両親2人を失った。講演会では当時を振り返りながら、肉親を失った悲しみだけでなく、事情聴取や現場処理、心身不調からの仕事の休養、メディアスクラムといった二次被害を回想した。裁判では覚せい剤を使用したにもかかわらず加害者の心神耗弱が認められ、減刑で無期懲役の判決が下された〝法律の壁〟を痛感したという。多くの場合、加害者に賠償命令が下されても支払い能力がないケースが大半と実情も説明した。
「被害者や家族にとって一番の希望は、元の状態に戻してほしいことだが、それは無理。せめて社会が救いの手を伸ばしてほしい」と支援機関や活動があることを紹介した。事件後、自身が知人にかけられた「いつもそばにいるからね」という言葉を振り返り、「犯罪被害者は特別な人ではない。周りにそのような人がいたら距離感を変えず、見守りながら今まで通りのお付き合いをして」と呼びかけた。
市では、今年度から犯罪被害者等支援条例が施行されたことに合わせて開催した。会場ではNPO法人による犯罪被害者らを写真や遺族のメッセージで紹介するパネル展も開かれた。