教えて!乳がんのこと 

進む乳房再建術に期待

読者からの質疑応答=成田記念病院形成外科部長/藤井勝善

2014/10/10

藤井勝善先生

 質問/乳房再建の現状と豊橋市でできる施設を教えてください。(豊橋市築地町、T・Mさん)

 回答/昨日に引き続き、乳房再建の現状の質問に対して、今回は手術方法について説明します。

 乳房再建の方法には大きく分けて2種類あります。

 ①人工物を利用=乳房プロテーゼといわれるものです。乳がん切除で胸の筋肉が残っていてかつ皮膚を全く切除せず、乳線だけをくり抜いたような場合には適応となります。十分な皮膚がなくても予め組織拡張器(ティッシュエキスパンダー)を埋め込み、風船を膨らませる要領(週1回生理食塩水を注射し、約6カ月から10カ月程度かかる)で少しずつ皮膚を伸ばしてから乳房プロテーゼを挿入するというやり方もあります。

 ②自分の組織を使用=広範囲に乳房が切除され変形が高度の場合は、比較的大きい量の組織が乳房再建には必要となります。背中や腹部の筋肉・脂肪・皮膚を胸部に血流を保つ方法を使って移植します。

 一方、縮小切除手術により、胸部変形が軽度である場合は、脂肪注入が効果的です。ご自分の脂肪を特殊な管を用いて、腹部や大腿から吸引(脂肪吸引)し、採れた脂肪を陥凹(かんおう)した乳房に注射で移植(脂肪注入)します。最近、再生医療の技術を利用した脂肪幹細胞との併用脂肪移植により、安全かつ確実に脂肪注入ができるようになってきました。最近のトピックスとして今後の発展が期待される分野です。

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藤井勝善先生

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