重要無形民俗文化財「鳳来寺田楽」

新城/保存会ら奉納/五穀豊穣、悪霊退散、天下泰平など願う/今年も密避け午後開催/演目披露し楽しむ

2023/01/05

才頭が舞う「棒のらんじ」(新城市門谷の鳳来寺田楽堂で)

 五穀豊穣(ごこくほうじょう)、悪霊退散、天下泰平などを願う国の重要無形民俗文化財「鳳来寺田楽」が3日、新城市門谷の鳳来寺田楽堂で地元保存会(小笠原則彦会長)の会員らにより奉納された。

 今年も昨年に続き、新型コロナウイルス感染対策で密を避けるためドラム缶を使った焚き火は行わず、午後開催としたほか、演目も少なく演目間の間も詰めて行われた。

 正月のすがすがしい空気の中、小学生から80歳代までの地元住民19人が、古式にのっとった衣装を身に付け、参道をゆっくり歩いて田楽堂に入場した。田楽堂では「五番の舞」「棒のらんじ」「惣田楽」など28番(途中4つが廃絶)のうち、いくつかの演目を次々と披露し、初詣客、住民ら約100人を楽しませた。天狗の面をかぶり、立えぼし、筒袖、軽杉袴を身に着けた才頭(さいとう)は、岡田智大さんが演じた。

 小笠原会長は「会員がそれぞれ気構えをもってやり、皆さんからもほめていただいた」と喜び「地域自慢の文化財なので、皆さんの協力をいただき、これからも守り続けていきたい」と決意を新たにしていた。

 同田楽は毎年正月3日に行われ、鳳来寺山開祖の利修(りしゅう)仙人が亡くなった時3匹の鬼の首をはねて埋葬。その供養のために寺の僧が村人とともに踊ったのが始まりとされる。田峯田楽(設楽町)、黒沢田楽(同市)とともに「三河の田楽」として、1978年国の重要無形民俗文化財に指定された。ただ、黒沢田楽は諸事情により2018年から休止している。

衣装を身に着けて入場(鳳来寺参道で)

2023/01/05 のニュース

才頭が舞う「棒のらんじ」(新城市門谷の鳳来寺田楽堂で)

衣装を身に着けて入場(鳳来寺参道で)

東日新聞サイトコンテンツ(PC表示)

連載コーナー

ピックアップ

読みたいコーナー

有料会員募集

きらり東三河

東三河学生就職NAVIリクルーティング

高校生のための東三河企業情報サイト

税理士法人ひまわり

連載コーナー

ピックアップ

Copyright © TONICHI NEWS. All rights reserved.