「癒やしのよりどころに」

新名所へ「ライダーズ寺」―誕生1年経過/田原の潮音寺 ライダー向けお守りも人気

2024/03/21

本堂をバックにオートバイを並べて記念撮影するライダー(提供)

 フジの名所で知られる田原市福江町の潮音寺に訪れるライダーが増え、ライダー向けお守りも人気を呼んでいる。安全運転を祈願する「ライダーズ寺」として誕生し1年が過ぎ、渥美半島の新名所の一つになりつつある。寺側は交流を通じ「癒やしのよりどころになればうれしい」と歓迎している。

 ■フジの季節に
 新城市の30、40代ぐらいの女性ライダーが2月中旬、岐阜県の30前後の仲間3人と潮音寺を訪れ、本堂をバックに自慢のオートバイ4台を並べ、記念撮影した。御朱印を買って記念にきんちゃく袋をもらうと喜んで帰っていった。寺は「きょうのライダー」としてこの写真をインスタグラムで送ると、4人から反応があった。そのうちの一人はきんちゃく袋のお礼とともに「(住職と)話もできてうれしかった」と感謝し、境内をフジで彩る4月末ごろに「ぜひ行きたい」と伝えたという。

 寺によると、こうしたライダーは50、60代のシニア世代が多く、東三河を中心に岡崎、豊田、浜松に及んでいる。渥美半島に来て途中に立ち寄る時もあるが、寺が目的というケースも少なくない。寺が数カ月前から撮ったライダーの写真を頻繁にインスタで流してから訪れるライダーが増えた。多い時は月に100台近くに上り、2月だけで80台ほどだった。

 正確に数えていないものの、ライダーズ寺誕生前が年間で50台ぐらいだったのが、誕生後は約20倍増の計1000台近くに膨れ上がった。

 中でも好評なのがライダー向けオリジナルの「二輪車守」。幅が約2センチ、長さが約3センチ。中に恵比寿などの七福神が入っている。ベルトも付いており、ハンドルや荷台などに取り付けられる。革製で車体に傷がつかず、濡れても丈夫なため買い求めるライダーが増えているそうだ。

 ■お祓いきっかけ
 潮音寺が、ライダーズ寺として誕生したのが一昨年11月。ツーリングでライダー約20人が、交通安全のお祓(はら)いを受けたことがきっかけだ。ライダーが増えたことについて宮本利寛住職は「神仏のご加護に加え、癒やしを求めているのではないか。積極的に声をかけて迎え入れていきたい」と話した。

 ツーリングに参加した一人は「人が集う場所でライダーを通じて地域の活性化につながっていけばありがたい」と期待を寄せている。

好評のライダー向け「二輪車守」(同)

【キーワード】潮音寺

 室町時代の1370年ごろに創建された古刹(こさつ)。潮音堂を経て江戸時代初期の1674年に改称され、今に至る。境内には松尾芭蕉の愛弟子の杜国(とこく)の墓があるほか、樹齢約100年のフジは見ごたえ十分で、「フジ寺」としても親しまれている。

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本堂をバックにオートバイを並べて記念撮影するライダー(提供)

好評のライダー向け「二輪車守」(同)

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