小規模廉価型メタン発酵システム

豊橋技科大発ベンチャー企業が開発―国内9施設で稼働/「STI for SDGs」アワード科学技術振興機構理事長賞

2023/12/30

豊橋市内の農家に導入された1号機

 豊橋技術科学大学発のベンチャー企業・豊橋バイオマスソリューションズ(熱田洋一社長)が開発した小規模廉価型メタン発酵システムが、国内の9施設で導入され実績をあげている。同社は同大学とともに、今年度の「STIforSDGs」アワード・科学技術振興機構理事長賞を受賞。中規模農家でも導入できるバイオガス生産装置として注目を集めている。

 メタン発酵システムは、家畜農家の糞尿や食品工場から出る食品廃棄物などを消化槽でメタン発酵させ、発生したバイオガスで発電する。バイオマス資源を活用した再生可能エネルギーの実用化装置として、普及が期待されている。

 従来のシステムは、規模が大きく高額な建設コストがかかることから、同社は中規模農家でも導入できる小規模廉価型のシステム(平均発電量60キロワット)を開発した。2016年に1号機を豊橋市内の養豚農家に導入。年間約450万円の売電収入が得られ、汚物処理と臭気を減らす効果もあり、農家の課題解決にもつながっている。

 21年に豊橋バイオマスソリューションズが設立され、これまでに県内6カ所を含む全国9カ所でシステムが稼働している。導入には平均して約1億円の投資額が必要になるが、補助金制度もあり10年年程度で回収が可能だという。

 「STIforSDGs」アワードは、科学技術イノベーションを用いて社会課題を解決していく優れた取り組みを、科学技術振興機構が表彰する制度。同社は豊橋技科大資源循環工学研究室とともに、既存技術をローテク化し「誰ひとり取り残さない社会の実現」を目指す開発姿勢が評価され、技術振興機構理事長賞を受賞した。

 今月に開かれた大学の定例記者会見には、同研究室の博士前期課程2年、宮里真珠さんが出席し「今ある技術で取り組め、再生可能エネルギーなど地域資源を最大限に活用できる」とシステムの社会的意義を説明。今後について「海外にも普及させ、SDGsの達成に貢献したい」と述べた。

メタン発酵システムのしくみ

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