能登半島地震 避難所での災害リハビリ支援

JRAT・塚田晋太朗氏が活動語る「平時からの取り組み大切」/メンバーの増強に意気込み

2024/02/19

JRATの活動について話す塚田晋太朗氏(豊橋市内で)

 元日に発生した能登半島地震の被災地では、避難所生活の長期化で、日々の活動量が減って心身に不調をきたす生活不活発病の発症が心配されている。高齢者の多い避難所では、日本災害リハビリテーション支援協会(JRAT)の県組織が入り、支援活動が本格化。発災の直後から情報を共有している「愛知JRAT」は、1月6日から登録メンバーが被災地に入り「石川JRAT」の活動に関わり、東三河の関係者もメンバーとしてサポートに入った。

 JRATは、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などリハビリ関連の各種団体でつくる組織で、東日本大震災時にリハビリテーション支援を行う組織として発足し、熊本地震での活動を経て、2020年に社団法人化し現在の協会となった。

 避難所の環境整備や、生活不活発病とそれに伴う災害関連疾患の予防と対策を図る。「愛知JRAT」は、同年8月に、地域JRATとして結成された。その事務局を、理学療法士で、豊橋創造大学保健医療学部理学療法学科助教の塚田晋太朗氏が務めている。

 塚田氏によると、1月8日、石川県から支援依頼を受けた「石川JRAT」がJRAT本部に、他県からの支援依頼を行った。それを受けて「愛知JRAT」は、石川県庁保険医療福祉調整本部や七尾市、奥能登地域等にメンバーを派遣し情報を集約。継続的な支援に備えた。

 派遣依頼を受けると塚田氏は、メンバーに現地の様子を伝え、被災地に送り出す手続きを行うなど、事務的なサポートを行った。

 豊橋に居ながら事務局を務めていたが、1月26日に金沢市に入り、同27日から30日まで、いしかわ総合スポーツセンター(金沢市)の1・5次避難所で活動した。

 ホテル・旅館などの2次避難所や仮設住宅などへ入居するまでの間、被災者を受け入れる同センターの1・5次避難所には、約300人が避難。配慮を必要とする要介護、要支援者への支援を行う活動部隊の調整を図るための情報管理と資源管理を行うロジスティクス業務を担った。

 塚田氏によると避難所の状況は日々変わり、支援チームも入れ替わる。そのため円滑かつ効率的に活動するためにはロジスティクスが重要になるという。

 塚田氏は、「介助が必要か、手すりや歩行補助具は適切かなど、環境整備においても個別性が求められる。そこに理学療法士の視点が生かされる」と話す。

 東三河地域では南海トラフ地震が懸念されている。それに対してできることは「平時からの取り組みを大切にすること」と指摘。「愛知JRAT」としては「地域の災害リハビリテーションに応えられるメンバーを増やしていきたい」と話した。

JRATに伴われて運動場所に移動する避難者ら=いしかわ総合スポーツセンター(提供)

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JRATの活動について話す塚田晋太朗氏(豊橋市内で)

JRATに伴われて運動場所に移動する避難者ら=いしかわ総合スポーツセンター(提供)

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