ヤシの実投流事業の対面式

島崎藤村の叙情詩再現

2024/04/07

対面式でヤシの実を手にする2組

 田原市の伊良湖岬・恋路ヶ浜が舞台となった島崎藤村の叙情詩「椰子(やし)の実」の再現を目指す渥美半島観光ビューローのヤシの実投流事業で、持ち主と拾った人の対面式が6日、同市日出町の日出園地で開かれた。

 「名も知らぬ遠き島より 流れ寄る椰子の実一つ」―。詩の一節「遠き島」を沖縄県石垣島に見立て、約1600キロ離れた恋路ヶ浜に流れ着くことを願い、旧渥美町観光協会が1988年、まちおこしでヤシの実流しを始めた。以来、「愛のココナッツ・メッセージ」と銘打って続ける。

 36回目を迎えた昨年6月、ヤシの実の持ち主や観光関係者が島の沖合から85個を黒潮に流し、7、8月に南九州市から豊橋市の伊古部、沼津市などの海岸に7個が流れ着いた。

 対面式には2組が参加し、伊古部海岸で拾った中神純一さん(60)=田原市=が持ち主の中原祥郎さん(75)=同市=に、沼津市の海岸で拾った高田孝良さん(77)=沼津市=が持ち主の西田伸彰さんの母親に返還した。

 10数年ヤシの実を流し、伊古部海岸に着いた中原さんは「絶対に届いてほしいとの気持ちで投げました。流れ着いたのは2個目、どんどん近くになっています」と喜んでいた。

 式には、石垣市観光交流協会の関係者も参加し、石垣市の中山義隆市長や渥美半島観光ビューローの石黒功会長、田原市の山下政良市長が黒潮で結ばれた絆を確認し、交流継続を誓った。

 ヤシの実には、連絡先などが記された金属製プレートが取り付けられ、昨年までに3831個を流し、田原市内には2001年に1個、12年に3個の計4個が流れ着いたが、恋路ヶ浜には到着していない。

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