用地開発へ向けて選定着手/名豊道路全線開通踏まえて豊橋市/企業進出ニーズで意向調査も/形成に10年 ―「早め早めに」市意気込み
2025/02/16
まもなく全線開通する国道23号名豊道路(豊橋市内で)
全長72・7キロの高規格道路「国道23号名豊道路」の全線開通で企業の進出ニーズが高まることを見越し、豊橋市は市内の同道路の沿線を中心に新たな産業拠点を形成するための調査に乗り出す。2025年度の一般会計当初予算案に関連経費として3030万円を計上した。
国土交通省中部地方整備局は昨年12月23日、豊明市と豊橋市を結ぶ名豊道路で唯一未開通の蒲郡インターチェンジ(IC)―豊川為当IC間(9・1キロ)について、3月8日に開通すると発表した。
未開通区間の解消で、1972年の事業化から約半世紀を経て同道路は全線開通する。東端でつながる静岡県の潮見バイパスなどを含めると、名古屋方面と浜松市が信号機に止められず無料で通行できるようになる。
全線開通で物流などの利便性向上が見込まれることから、市は25年度、企業誘致のための産業用地開発に向け市内の同道路沿線を中心に候補地の選定に着手する。用水や排水の有無、土地が目的に適した形状かどうかを検討する。
市内外の事業者やデベロッパーをピックアップし、企業進出の意向も調べる。
すでに市内各地にある工業用地は、ほぼ空きがない状態だという。
「早め早めにやっていきたい」と市産業政策課の田村亨課長補佐は意気込む。それでも新たな産業拠点の形成には通常10年ほどかかるため、その間の企業ニーズを取りこぼさないよう民間開発の手法も視野に入れ、申請時などに市として手伝うことも想定している。
田村さんは「将来の豊橋のため、今から取りかかっていきたい」と話した。