全国学校保健・安全研究大会 学校保健部門/心身の健康理解深める 生徒との取り組み評価
2025/02/20
ネット依存に関する生徒らの発表を聞く三ツ矢さん㊧(金屋中学校で)
豊川市立金屋中学校が、今年度の全国学校保健・安全研究大会で学校保健部門の文部科学大臣表彰に輝いた。思春期の子どもたちの心身の健康に関する2年間のさまざまな取り組みが高く評価された。
同校は2022年度に健康教育の指定を受け、当時在校していた養護教諭の三ツ矢由香さん(現同市立八南小)を中心に授業や生徒会活動で健康教育に取り組んできた。研究主題を「心豊かによりたくましい金中生を目ざして」として「絆づくり」「安心できる居場所づくり」「自分づくり」の3点を軸に、生徒らと心身の健康について理解を深めてきた。
部活動ごとのあいさつ当番や、日々の感染症対策の労をねぎらい合う「サンキューリボン運動」、少人数でテーマを決めて意見交換する「みそ味タイム」などを展開。人権週間には道徳的な要素の絵本の読み聞かせをしたり、近くの佐奈川で環境保全に貢献するボランティアにも参加したりしている。チームワークを育んだり、ネット依存やストレスと上手に付き合う方法を探ったりする研修会も行った。
生徒へのアンケートの結果、これらの取り組みにより自己実現や自己肯定の項目が向上。生徒からは「自分を見つめ直すきっかけができてうれしかった」「自分のことが嫌いでしたが、少しだけど好きになれた」などの声が聞かれた。
身だしなみ、掃除、あいさつ、時間、優しさの頭文字からなる、約20年前から親しまれる同校伝統の合言葉「みそあじや」も改めて評価される機会となり、田中基明校長は「今後も取り組みを続けて、健康教育の質をさらに高めていきたい」と話している。
文科大臣賞には全国の小中学校や高校、特別支援学校など14校が選ばれ、県内では金屋中と小牧市立米野小の2校のみだった。