のんほいパークのオランウータン
2025/02/20
スマトラオランウータンの「ウラン」(豊橋市提供)
豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)は19日、雌のスマトラオランウータン「ウラン」(19歳)が千葉県の市川市動植物園に移ると発表した。
搬出は3月10日。繁殖を目的に動物を貸し借りする「ブリーディングローン」制度で貸し出す。移動前のウランを最後に見られる同8日の午前11時半から、飼育員がオランウータン舎でウランのこれまでを紹介する特別ガイドを行う。
ウランは2005年4月に同パークで生まれた。雄の「ウータン」(21歳)との間で繁殖に取り組んできたが、うまくいかなかった。移動先ではウータンの父親のイーバンと繁殖を試みるという。
同パークによると、スマトラオランウータンはインドネシア・スマトラ島北部に生息する。オスは体長1㍍、体重60~90㌔程度、メスは体長80㌢、体重40~50㌔程度。全身がオレンジかかった茶色の長い毛で覆われ、長い腕と短い脚は熱帯雨林での樹上生活に適している。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅の危険性が高い「近絶滅種」に指定されている。
今年1月末時点の国内での飼育数は、4園で計7頭。同パークの木谷良平獣医師は「国内のスマトラオランウータンは厳しい状況なので、繁殖が成功して新しい命が誕生することに期待している」と話す。