豊川市の農ヶ上町内会が独自に祝い金創設/大型商業施徒歩圏内 若い世代の人口増期待
2025/02/22
子どもらの憩いの場となっている農ヶ上公園(豊川市蔵子で)
豊川市の農ヶ上町内会が今年から、独自に出産祝い金を創設した。子どもが産まれた世帯に1万円を贈る。この地方の町内会での出産祝い金は珍しく、大型商業施設イオンモール豊川の徒歩圏内という地の利も生かして若い世代の人口増加が期待される。
同町内会はこのほど慶弔規定を改定し、弔慰金や慰労金に加えて出産祝い金を設けた。今年に入り、町内の2世帯で立て続けに子どもが産まれたことも契機となり、町内会長の鈴木利明さんは「少子化のこの時代、日本の未来を背負うお子さんが産まれることは地域にとって素晴らしいこと。地域のみんなで喜びを分かち合いたい」と理由を明かした。
市では独自の子育て支援策として、子どもが1歳を迎える際に3万円を支給する「ファーストバースデーお祝い金」を設けている。これと合わせて、農ヶ上地区はより子育て世帯に手厚い地域として注目されそうだ。
桜町連区に属する同地区は一昨年春、すぐ北側にイオンモール豊川が開業。白川に整備された歩道橋や公園を通じて店舗敷地内へ入れる。また、徒歩圏内には市民病院や名鉄八幡駅もあるほか、来年度中に総合保健センター(仮称)が完成。近い将来に新文化会館も整備される。
農ヶ上はもともと豊川海軍工廠(しょう)の工員住宅が立ち並んだ地区で、市外から移転してきた人が多い。そのため伝統的な風習もなく、鈴木さんは「新しいことも始めやすい空気があり、意見を積極的に言ってくれる若い世代もいる」と話している。