富山支所 来年度末で閉鎖

郵便局に窓口業務委託へ 金融機関存続を優先/豊根村

2025/02/22

支所㊧の向かいに立つピンクの建物が郵便局(昨年3月、豊根村富山で)

 豊根村は、富山支所を2025年度末で閉鎖し、窓口業務を富山郵便局に委託すると明らかにした。富山地区(旧富山村)の人口が50人を切る中、撤退も懸念された郵便局に支所機能を任せることで、地区唯一の金融機関の存続につなげる。

 「日本一のミニ村」と呼ばれた富山だが、2005年の合併当時は218人が暮らした。それから20年間、人口は減少の一途で、村は最低限の基盤を維持しようと苦心を重ねている。

 支所は富山村役場だった建物だ。豊根村によると、現在は会計年度任用職員2人が常駐し、証明書発行、料金徴収などを行うが、例えば証明書発行は年40件程度にとどまる。

 それでも窓口を廃止すれば、本庁舎までは峠を越えて車で40分余りかかる。

 道路の向かいに立つ郵便局への機能移管は、19年に日本郵便から提案があった。村としては委託料を上回る費用軽減が期待でき、古くなった支所の耐震改修を行う余裕もないため、前向きに検討を進めた。

 新型コロナウイルス禍などで調整は遅れたが、住民への説明を重ね、昨年8月に地区の同意を得た。今年中に一部の業務委託を始める方向で、同社と具体的に協議している。

 伊藤浩亘村長は20日、新城市内であった会合で、機能移管の狙いを表明。「富山にATM(現金自動預払機)を残すには、日本郵便直営の局を残す必要がある。支所は利用者が1日1、2人で非常に少なく、双方にとってメリットがある」と強調した。

 地区の人口は1月末で27世帯48人。実際の居住者はさらに少ないという。村は15年、富山小中学校を閉鎖。21年には新城市消防署富山駐在所が閉鎖された一方、災害や急患発生に備えて新たなヘリポートが完成した。

 消防の駐在所だった堅固な施設には昨年3月、県警の駐在所が老朽化した建物から移っている。

 日本郵便は、自治体の支所業務を包括的に受託する取り組みを19年に開始。長野県泰阜村が全国初のケースとなった。

ダム湖が迫る斜面に家々が並ぶ(同)

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