関連工事4月から本格化

愛知御津駅周辺のまちづくり整備事業/南北自由通路2028年度供用開始へ/駅橋上化推進住民団体発足から苦節10年

2025/03/21

新たにロータリーが整備される愛知御津駅の南側(豊川市御津町で)

 豊川市御津町の愛知御津駅周辺のまちづくり整備事業の関連工事が、4月から本格化する。子どもたちの安全確保と町の発展を目指し、駅の橋上化を推進する住民団体の発足から苦節10年。通学路にもなる南北自由通路は2028年度の供用開始を見込む。

 市は、新年度の当初予算案に関連事業費として4億5869万円を計上。橋上駅や、幅3・5メートルの歩行空間や階段がある延長47メートルの南北自由通路の詳細設計を進めると共に、本体工事に先立って仮駅舎の建設や支障物件の移転工事を開始する。新たに出入口やロータリーができる南側では、すでに道路の舗装工事が進められている。

 橋上駅化は地元住民の悲願だ。駅西側の御油踏切は交通量が多く、歩行者スペースが狭い。貨物列車が通れば遮断機がなかなか開かず、御津南部小学校の児童らは駅の西側にある梨野ガードを通って通学している。しかし、ここも車1台が通るのがやっとの幅。毎日危険と隣り合わせだ。

 住民らは2015年、自由に南北を往来できる駅の橋上化を求めて「駅を活かした町づくり連絡協議会」(愛知御津駅周辺まちづくり協議会)を発足。子どもらが描いた橋上駅の絵を展示したり、北側ロータリーで植栽をしたりして要望活動を続けてきた。その熱意が実り、乗降客数の関係で難色を示していたJR東海も事業合意した。

 親族が梨野ガードを歩いて通学している男性は「ようやく不安が解消されると思うとうれしい」。市議会では、一部の議員が大型予算をつぎ込むハード事業に反対し、橋上駅化の見直しを求めたが「まちの長年の願いが踏みにじられた思い。竹本市長の『必ずやり遂げる』という言葉を聞いて安心した」と明かす。

 市とJRの事業契約は2030年12月末まで。自由通路や橋上駅舎、仮駅舎の移転費など39億5690万円を市が負担する。

狭くて危険と隣り合わせの梨野ガード(同)

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