31日、鳳来寺山近くの県道32号規制解除/新城
2025/03/26
復旧工事はおおむね終了した(24日、新城市門谷で)
土砂崩れで7カ月前から通れなくなっていた新城市門谷の県道32号について、県は通行止めを31日午後に解除すると決めた。住民らの通学・通勤や市消防の活動、現場から近い鳳来寺山への観光に影響が出ていただけに、関係者からは安堵(あんど)の声が聞かれた。
通行止めとなったのは、JR本長篠駅から北へ坂を上った「峰」バス停付近。昨年8月31日、台風接近による大雨で土砂と立ち木が道路まで大量に流出した。
付近には回り道がない。すぐ南にある市消防署鳳来出張所は北への出口を失った。
現場を通っていた豊鉄バス田口新城線はルートを大きく変更。この路線で通学していた近くの小中学生らはスクールバスや保護者送迎で通うこととなった。
鳳来寺小の白井淳子校長は「スクールバスのピストン運行などで対応した。学校で何かあったとき、救急車の到着に時間がかかる心配もあったので、通行止め解除が決まって助かる」と話した。
豊鉄バスは31日午後から元の運行ルートに戻す予定だ。
通行止めが長引いたのは、付近の地質がもろいためだ。県によると、崩落の範囲は幅40メートル弱、奥行き70メートル程度、高さ50メートル程度まで及んでいた。
県は工法選定や国との協議を経て、昨年11月に復旧工事を開始。施工業者が、落ち残った約3500立方メートルもの土砂を除去し、モルタル吹き付けなどを行った。
県新城設楽建設事務所の担当者は「通行止めが長引いて申し訳ない。規模の大きな工事となったが、業者の協力もあって順調に進めることができた」と説明した。
新城市の下江洋行市長は25日の記者会見で「皆さんに不便をかける状況が長引いたが、先が見えたので供用に期待している」と述べた。県にはこれまで、早期復旧の努力とう回ルートの看板設置などを繰り返し要請したという。