【連載】父親が語る阿部葉太(横浜)の素顔㊦/「場数を踏むことで強くなる」
2025/03/28
屈強な精神力が阿部葉太を支えている
走攻守のバランスが整った逸材。今年のドラフト候補に挙がる田原市出身の阿部葉太(3年)は、どんな練習を積んで注目の強打者へ育ったのか、父・一彦さんが語ってくれた。
◇
◆強靭な精神力
阿部の原点は、愛知豊橋ボーイズ(スカイラークス)にある。一彦さんは「環境が変わってもスカイラークスで鍛えられたメンタルは変わらない」と言う。チームを引っ張る自覚が芽生え、責任感や連帯感が生まれた。
横浜高校では「異例」となる2年生での主将就任も、阿部にとっては過程の一部。中学から「ごはんをしっかり食べさせていた。身体づくりはすべての基本。場数を踏むことでもっと強くなる」と地道に培った強さが今の阿部を支えている。
一彦さんにとって思い出深い試合を聞くと「高校入学したばかりの5月、Bチームの試合だったけれど、私の誕生日の前日に初本塁打を打ったのが感慨深い。小雨が降る中で観客は1人。葉太にとっても横浜で戦う自信を深める1発になったはず」と話した。
阪神甲子園球場で躍動する稀代のスラッガーに、プロ野球やMLB関係者の目が注がれる。今秋のドラフト指名はほぼ間違いないだろう。大舞台でも動じない強靭なメンタルを武器に、阿部葉太が高校日本一に挑む。