「価格転嫁」東海4県企業実態調査/帝国DB
2025/04/18
価格転嫁率の推移(帝国データバンク調べ)
コスト上昇分を商品やサービスの値段に反映させる価格転嫁率が42%にとどまり、半年前の調査より後退していることが、帝国データバンク名古屋支店が実施した「価格転嫁に関する東海4県企業の実態調査」で明らかになった。
調査は2月、東海4県の2971社を対象に行い、1159社が回答。コスト上昇分を「多少なりとも価格転嫁できている」と答えた企業が79・9%あった。内訳は「2割未満」が25・2%で最も多く、以下「5割以上8割未満」19・2%、「2割以上5割未満」17・3%、、「8割以上」15・2%の順。「10割すべて」は2・8%しかなく、「全く価格転嫁できていない」企業が1割近くあった。
販売価格への転嫁度合いを示す価格転嫁率は、昨年7月の前回調査から3・2ポイント低下して42・3%。販売側がコスト上昇分の半分以上を負担する厳しい状況が続いている。業界別でみると、「卸売」以外すべての業界で転嫁率は後退した。
コストの項目別では、「原材料費」の転嫁率が49・6%だったの対し、「人件費」32・0%、「物流費」35・0%、「エネルギー費」31・4%は3割台。これらは原材料費と異なり、変動しやすく具体的に数値化することも難しいため、取引先への説明がしづらいことが要因とみられる。
帝国データバンクでは、価格転嫁に対する消費者や取引先からの反発を恐れ、より踏み込んだ値上げが実施しづらく、価格転嫁が頭打ちの状況にあると分析している。