諏訪神社や氏子総代会などが市教委に調査を要望/豊川
2025/05/27
爆弾で一部が欠損したとされる2体の狛犬像(諏訪神社で)
豊川市諏訪西町の諏訪神社にある「戦禍の狛犬」を市の文化財に指定してもらおうと、同神社や氏子総代会、諏訪連区が26日、音羽庁舎で市教育委員会に指定の対象となるかの調査を要望した。
同神社は終戦直前の1945年8月7日、近くの豊川海軍工廠(しょう)が空襲を受けた際、境内にも爆弾が落ちて被災。頭部などが欠けた2体の狛犬の石像は、軍事施設だけでなく住宅地も攻撃を受けた事実を後世に残す戦争遺構に位置付けられている。
被爆80年を機に、関係者は要望書に加え、諏訪地区の住民ら1076人分の署名も提出。生涯学習課の渡辺寿彦課長は「重く受け止めたい」と今年度からの調査を約束した。指定には、狛犬が爆弾で被災したことを証明する史料や地域住民らの証言が必要となり、同課の天野雄矢さんは「より多くの根拠や証拠を集めたい。ご協力をお願いします」と呼びかけた。
氏子総代会長の小沢勇さんは「狛犬のことを調べると、いろんなことが分かった。新たな真実が出てきそうで楽しみもある」と話し、宮司の小元秀子さんも「貴重な遺構を後世に残すため指定を願いたい」と期待した。
指定されれば、戦争遺構では砥鹿神社の大鳥居や工廠跡地(平和公園内)にある旧第一火薬庫・旧第三信管置場に続く文化財となる。